農政・農協ニュース

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FRONT80(森林再生基金)助成案件決まる

 農林中央金庫が創立80周年を機に設定した「公益信託 農林中金80周年森林再生基金」(FRONT80)の第7回助成案件が決定した。
 今回は多数の応募の中から、例年と比べ大幅な増加となる9案件の助成が決定された。

◆FRONT80とは

 農林中央金庫は、国内の荒廃した森林の再生が森林の多面的機能の持続的な発揮につながるよう、平成17年3月、創立80周年を機に「公益信託 農林中金80周年森林再生基金」(FRONT80)を創設し、民有林の再生と保護・保全を通じた社会貢献事業に取り組んでいる。
 この取り組みは、毎年多数の応募の中から民有林の再生につながる優れた活動を選定し、費用の助成を通じた活動支援を行うもので、信託財産10億円で設定し10年間にわたって実施していく。昨年度まで(第1回〜第6回)に、合計28の案件に対し、総額5億3700万円の助成が行われている。


◆今回は過去最多の9案件に助成

 今回は29件という多数の応募があったが、継続性、波及性、緊急性等の観点から審査が行われ、9案件、合計1億8900万円の助成が決定された。
 今回の決定案件は、政府の「森林・林業再生プラン」スタート等の情勢下、集約化した森林において、国の補助金等を最大限活用しつつ、当該地域の位置、地形・地質等を踏まえ、低コストかつ効率的な森林整備システムの構築を指向する事業が多くなっていること。
 また、事業対象となる森林を森林づくりのモデル林として活用し、森林所有者の経営意欲の向上と、それによる持続的な森林管理に結び付けていこうとするなど、助成終了後の継続性、波及性が大きいと認められる案件もあり、いずれの案件も地域の森林・林業が抱える緊急の課題に対し意欲的にチャレンジすることが特徴だと農林中金は助成理由を説明した。
 助成決定先の名称および事業名は以下の通り
(1)本荘由利森組(秋田県)“猿倉の森”森林機能回復事業〜山づくりへの意欲の復活のために〜
(2)北都留森組(山梨県)北都留森林組合森林・林業・山村再生プラン〜生業としての林業への挑戦〜
(3)中濃森組(岐阜県)多様性をもった里山森林整備モデル林の造成
(4)可茂森組(岐阜県)集落周辺の里山未整備森林再生プロジェクト
(5)龍神村森組(和歌山県)新天地開拓モデル事業〜翔く「龍神材」谷を越える〜
(6)しまね東部森組(島根県)水源林における集約化施業による利用間伐の推進
(7)愛媛県森連(愛媛県)地域連携で取り組む「風早の森」再生事業
(8)久万広域森組(愛媛県)利用間伐への転換のための木材生産検証事業
(9)香美森組(高知県)地域森林資源の管理者を目指して〜限界集落の守り香美〜

(2012.03.08)