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高校生の食への関心高まる  農林中金が調査

 農林中央金庫は高校生の食に関する意識と実態を把握することを目的に「第2回 現代高校生の食生活、意識と実態調査」を3月に行い、調査結果を4月27日公表した。

 この調査は首都圏の高校生400人(男女各200人)に行ったもので、05年12月に実施した第1回調査と比較しながらその変化をまとめた。


◆朝食「ごはん」派が増加

 一週間に家で朝ごはんを食べる回数が「毎日」という高校生は72.5%で68.8%だった前回から増えたものの、週平均は「5.9回」で前回の「6.0回」から減っており、変化は見られなかった。
 朝食は「パン」が1位で73.5%だが、2位の「ごはん」は男女ともに前回より15ポイント以上伸び、全体で見ても51.0%から67.4%になった。特に男子はパンよりごはんを食べる割合が高くなっている。
 学校での昼食は「親に作ってもらった弁当」という高校生が88.8%にのぼり、前回の65.5%から増えた。これによって昼食によく食べるものも「ごはんとおかず」が9割以上となり前回より20ポイント以上高くなった。
 また夕食を毎日家で食べるという高校生は77.8%で週平均は「6.4回」となり、これは前回の81.0%、6.5回からやや減っている。
 食事相手は「ひとりで」が朝食では44.7%なのに対し、夕食では20.3%で、「母親」と食べている生徒が8割強でもっとも多かった。食事の時にすることは「家族と話をする」が85.0%でもっとも多く、前回の70.3%より増えた。しかし、男子は「テレビを見る」という割合の方がやや多かった。


◆食事を残す割合は減少傾向

 食事を「いつも」「時々」残すという高校生は前回の45.8%から39.3%とやや減少し、「残すことはない」も前回の54.3%から60.8%に増えたことから、やや改善傾向にある。
 食事を残すことが「もったいない」という高校生は37.0%から73.5%に増え、「作ってくれた人に悪い」も34.3%から59.0%と倍に増えた。
 コンビニの利用状況は「週に2〜3回」が34.8%でもっとも高く、週平均では2.2回で前回の2.8回よりやや減った。
 一方、ファストフード店の利用状況は「月に1、2回」という割合が47.5%でもっとも多いが、利用率は前回の83.0%から88.3%に増えて週平均も0.7回から0.8回と増えた。


◆「料理」への関心高まる

 「これまで料理や食べ物、食べ方についてどのような人や方法から学んできたか」を聞いたところ、もっとも多かったのが「母親」(91.5%)、次いで「父親」(55.0%)、「学校の授業(実習)」(40.0%)となり、これらすべての項目で前回より回答率は高くなっており家庭・学校での食育の重要性が表れている。
 また食事の手伝いをする高校生もほぼ8割にのぼり、週平均も前回の1.5回から2.4回に、「全く行わない」という生徒は前回の39.5%から20.8%に減った。
 食への関心は、男女ともにもっとも高いのが「料理の作り方」(61.8%)で、前回より25ポイント以上も増えている。前回、男子は「特にない」、女子では「カロリー・ダイエット」が1位だったことから、食への関心の高まりがうかがえる。
 また郷土料理や行事食の作り方を習いたいという生徒が女子で半数を超えている。
 日本の食料自給率を「40%」と正しく回答した高校生は26.5%で、前回の13.8%から増えた。また、日本がめざすべき自給率を「3分の2くらい」とした高校生がもっとも多く、前回は「半分くらい」がもっとも多かったことから、高い自給率が必要と考える高校生が増えた。
 東日本大震災後の家族との食や食生活の変化として感じているもっとも高い項目は「なるべく残さず食べるようになった」、「家族との食事時間を大切に思う気持ちが強くなった」だった。

食について関心があること

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