農政・農協ニュース

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【シリーズ・遺伝子組換え作物を考える】第14回 GM作物・食品に反対

 本紙では遺伝子組換え(GM)バラが商業栽培されたことを機に、GM作物・食品について考えるために、GM作物の栽培の実態や安全性がどのように担保されているのかなどについてできるだけ客観的な視点にたち追求してきた。
 今回は、日本でGM作物・食品の商業栽培・流通が認められて以降、安全性・環境汚染・種子独占支配などの観点から、一貫してこれに反対をしている生活クラブ生協連合会の前田和記企画課長に、その理由を投稿していただいた。

安全性の問題などからGM食品を取扱わないという姿勢を堅持


◆GM由来原料を一貫して排除

 遺伝子組換え(以下、GM)作物・食品問題に対する生活クラブの対応について紹介する。生活クラブ連合会は、北は北海道から西は兵庫県まで20都道府県にある32の会員生協ならびに生活クラブ共済連(※1)が構成する事業連合で、取組品目の共同開発・共同仕入れを担っている。
 日本でGM作物・食品の商業栽培・流通が解禁されたのが1996年秋。生活クラブ連合会は1997年1月の理事会で、GM作物・食品問題に対する基本的態度として次の2つの対応方針を決定した。
1.GM作物・食品は取り扱わない。
2.取り扱わざるを得ない時は、組合員に情報を公開する。
 この方針を定めた当時、「取り扱わない」とする姿勢は困難であり無謀だとの声が業界の常識だった。
 しかし、生活クラブはこの方針を堅持し、主原料のみならず副原料・微量原料そして飼料に至るまで、GM由来原料を排除し代替原料に切り替える対策を進めてきた。対策の範囲はトウモロコシ、大豆製品のほとんどにおよび(参照)、その達成水準は表1のとおりである。

※1:生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会

表1


◆「GM食品いらない」運動で商業栽培を阻止

全国に広がるGMOフリーゾーン(遺伝子組換え作物拒否地域)宣言活動。宣言地域は7万8000ha強で、日本の耕作面積の約1.5%にあたる。写真は千葉県旭市 また、事業上の対応とともに、GM作物・食品に反対する全国運動に取り組んできた。GMに反対する他の生協や消費者団体・市民団体とともに、「遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン」に集い、運動の一翼を担ってきた。
 この運動は、GM作物・食品に対する否定的な世論を形成し、GM作物・食品の義務表示制度を国に導入させ、解禁から15年余を経過した今日に至るまで、国内におけるGM作物の商業栽培を阻止してきた。

 

(写真)
全国に広がるGMOフリーゾーン(遺伝子組換え作物拒否地域)宣言活動。宣言地域は7万8000ha強で、日本の耕作面積の約1.5%にあたる。写真は千葉県旭市

 

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(2012.06.07)