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果樹カメムシの発生に注意 病害虫発生予報予察6号

 農水省は8月9日、平成24年度の病害虫発生予報第6号を発表した。今年は例年以上に果樹カメムシ類の発生が多いとして、適切な防除を呼びかけている。

【水稲】
 葉いもちの発生が近畿で「多い」、四国で「やや多い」、穂いもちは近畿、四国で「やや多い」と予想。
 害虫では、セジロウンカが中国で、トビイロウンカが九州で、フタオビコヤガが北東北で、それぞれ「多い」。特にセジロウンカは近年、これまで国内で確認されていなかったイネ南方黒すじ萎縮病を持つものが飛来しており、吸汁被害だけでなくウィルス被害にも注意を払う必要がある。
 斑点米カメムシについては7月17日以降8月2日までに新潟、山形、島根など7県で注意報が発令されているが、「例年に比べて発生は少ない」(消費・安全局植物防疫課)見込みだ。

【野菜・花き】
 病害虫の発生が多いと予想される地域と作物は、北東北でキュウリの炭そ病とキクのアブラムシ類、南関東でネギのアザミウマ類とナスのうどんこ病、東海でキクのアザミウマ類、北陸でナスのアザミウマ類、近畿でナスのアザミウマ類とハダニ類、となっている。

【果樹】
 果樹ではカメムシ類の発生が非常に多いとして、防除の徹底を呼びかけている。
 今年はスギ・ヒノキの花粉が少なかったため、カメムシ類のエサとなる実が少なく畑への飛来が非常に多くなっている。
 4月から8月2日までに33都府県で注意報が発令されたが、早期の注意喚起と生産現場での適期防除も功を奏し、現在、全国的に大きな被害は報告されていない。ただし、「暑さが和らぐまでは虫は活発に活動するので、今後も引き続き発生への注意と適切な防除を心がけてほしい」(同)としている。
 そのほかの病害虫では、かんきつ類の黒点病が四国で、ミカンハダニが中国で「多い」。ナシの黒星病が関東・東海で、ハダニ類が東海で「多い」予想。


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