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「下仁田ねぎ」の収穫始まる  鍋の具材に人気

 群馬県下仁田町の周辺地域で特産品「下仁田ねぎ」の収穫が始まった。

上:下仁田ねぎ、下:下仁田町・下仁田葱の会の緑箱 収穫は11月から翌年1月まで続く。霜にあたり甘みが増す12月が最盛期で最もおいしい時期だという。今年は一部に天候不順の影響もあったが、味のほうは例年通りとのことだ。
 出荷量は期間合計でおよそ37万ケース(1ケース約4kg)を見込む。生産農家は約360人。
 「下仁田ねぎ」の特徴は、鍋料理にした際のおいしさ。生では辛みが強くて薬味には適さないが、加熱すると一変して、甘みがとても強くなり、とろけるような舌ざわりと独特の香りが口中にひろがる。冬の家庭のお鍋を贅沢にしてくれる逸品だと、県の担当者は語る。
 また、タンパク質(ミューシン)や香辛料(硫化アリル)などが、他のネギに比べて約3倍含まれ、ビタミンB・Cも豊富な食材だ。
 産地では「本物を守り、受け継ごう」と下仁田町馬山のネギ農家70人が「下仁田町・下仁田葱の会」を結成し、栽培方法や規格など、守るべき厳しい条件下で栽培・出荷できるネギだけを「下仁田ねぎ」と認め、統一の緑の箱を作り、区別することとした。箱は12月1日以降の出荷分に限って使われている。
 江戸時代、高崎藩主が江戸城内の親交ある大名たちに、年末年始に贈ったことから「下仁田ねぎ」は別名を「殿様ねぎ」とも呼ばれ、今もお歳暮用に人気がある。

(写真)
上:下仁田ねぎ
下:下仁田町・下仁田葱の会の緑箱

(2012.11.15)