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臭化メチル剤の代替技術 農研機構が栽培マニュアルを作成

 2012年12月31日で臭化メチル剤の使用が全面的に廃止となる。農研機構では、臭化メチル剤全廃後も安定した農産物生産ができるようにと、全国8つの自治体などと連携して代替栽培技術の研究を行ってきた。12月上旬、全国3カ所でこの研究成果の発表会を行うとともに、12月3日からはその栽培マニュアルをホームページ上で公開する。

◆防除価80以上、収量90%以上を達成

 臭化メチルは土壌病害虫や雑草の防除に高い効果があるとして長年使用されてきたが、1992年の国際会議でオゾン層破壊物質に指定され、2005年に原則廃止が決まった。
 日本では、代替栽培技術がないとして、キュウリ、メロン、トウガラシ類、ショウガ、スイカの5作物に限っては特例で使用が認められていたが、それも12月31日をもって全廃となる。
 08年からは農研機構と各自治体、民間研究機関が連携し、臭化メチル剤の代替栽培技術の開発に取り組み、このたび生産者に提供するための栽培マニュアルを作成した。栽培マニュアルでは、臭化メチル剤使用時に比べて防除価で80以上、収量で90%以上の確保が目標となっている。


◆東京、名古屋、福岡で発表会

 栽培マニュアルは、ピーマン(茨城、鹿児島)、キュウリ(愛知、宮崎)、メロン(千葉)、露地ショウガ(高知、熊本)、施設ショウガ(和歌山)と、4作目8自治体ごとに土壌消毒の方法から栽培管理まで幅広く網羅したものと、ピーマンモザイク病の予防ワクチンに関するものの全9巻。それぞれ20〜50ページほどのボリュームとなっている。
 具体的には、ピーマン、メロン、キュウリでは、IPMを基礎とした栽培管理技術や、メロンとトマトの輪作、ピーマンとキュウリ苗の根部を保護する新たな定植法の開発など。ショウガでは、クロルピクリンやヨウ化メチルなど代替剤の処理方法などについて詳しく解説している。
 この栽培マニュアルは、12月3日から農研機構中央農研ホームページで公開され、PDF版をダウンロードできるようになる。
 また、12月3日に東京・千代田区の日本教育会館一ツ橋ホール、5日に愛知・名古屋国際会議場レセプションホール、7日に福岡・都久志会館ホールの3カ所でこのマニュアルについての発表会を開催する。各会場とも10時から15時までで、入場は無料。会場では、栽培マニュアルのダイジェスト版パンフレットを来場者に配布する予定だ。
 また、機構では、このダイジェスト版を7〜8分の動画で分かりやすく解説したDVDも制作。この動画は12月3日よりYouTubeの農研機構チャンネルで公開される。


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