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経営戦略をQ&Aなどで農林中金が今年度ディスクロ誌を発行

 農林中央金庫は情報開示のディスクロジャー誌「リポート2010」を8月上旬発行した。

 A5版210頁で、金庫の「経営戦略」や「系統信用事業の現状と金庫の役割」などを紹介し、農協、漁協、森林組合や関係先などに送付している。
 「経営戦略」編ではQ&A形式で2009年度決算などの質問に答え、また市場運用資産は安全方針を堅持した結果、「クレジット」が減少する一方、「債券」が国内外の中短期国債を中心に増加したと報告している。
 格付機関は昨年から証券化商品を積極的に格下げしているが、その中で金庫が保有する証券化商品は8割超がAAA、AA格で、さらに、その割合を高めている。
 サブプライムローンの関連商品は残高1088億円で、トータル残高に占める割合は2%にまで減少した。
 ゆうちょ銀行の業務範囲拡大に対する「考え方」というコラムもあり、政府出資が一部でも残り、公的関与が続く限りは、ゆうちょ銀行はあくまでも民業の補完に徹するべきであり、預け入れ限度額の引き上げや貸出業務拡大などの業務範囲拡大は認められるべきではないとした。
 「自己資本とリスク管理」編では自己資本比率が連結(8社)で19.21%、単体で19.26%になったと報告した。
 「資料」編のうちリスク管理債権の状況を見ると、2009年度の同債権額合計は2868億円で前年度に比べ970億円の増加になった。4段階の中では延滞債権の増加が目立ち、貸出条件緩和債権も増えた。
 業種別にみると、リスク管理債権の29%は金融・保険業、次いで不動産業17%、製造業16%など。農業は2.2%で前年度に比べ微減となった。

(2010.08.12)