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増える植物工場 減るガラスハウス  富士経済調査

 富士経済は、植物工場をはじめとした施設栽培プラントや、その関連市場の調査結果を10月21日発表し、市場拡大を予測した。

stat1011020601.gif 施設栽培プラントと、それに関連する機器・資材市場(12品目)の合計規模は2009年で449億円となった。2015年予測は488億円で09年比約9%の伸び。
 内訳は09年のプラント市場64億円、機器・資材市場385億円。
 プラントについては国などによる植物工場の普及や企業の農業参入の増加などによって10年には20%伸びる見込み。15年には96億円に達すると予測される。 機器・資材については、一般農家向けのウエイトが高いガラス・フィルムハウスなどが減少していくことから全体的には伸びが緩やかとなるものの、植物工場や企業参入の増加が期待され、15年の市場は392億円と予測される。
 さらなる市場拡大には省エネや省力化、安心安全といった付加価値のアピールや、コストダウンによる一般農家の需要掘り起こしが必要ーとした。
 植物工場は完全人工光型と太陽光併用型の二つに分類されるが、太陽光利用型植物工場で養液栽培プラントに用いられる湛液型栽培プラント、NFT栽培プラント、固形培地栽培プラントも市場拡大が見込まれる。
 拡大の牽引役の一つとなっている09年度補正予算は10年までの限定的なもの。その反動で11年の伸びは緩やかになる。
 しかし企業参入の増加や栽培品目の拡大、ユーザーに対するノウハウの提供、完全人工光型植物工場による新たなビジネスモデルの確立などにより市場拡大は続くと予測した。
 とりわけ完全人工光型植物工場の15年予測は18億円となり、09年比で約39%の伸びを示す注目市場とされている。
 資材では、ハウス農家の減少に加え、ガラスハウスよりも比較的安いフィルムハウスへの切り替えが進んでいることからガラス・フィルムハウス市場は縮小傾向にある。
 一方、生物農薬、空調機器、灌水・給液管理装置などの市場が拡大している。

(2010.11.02)