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「毎日食べる」人が大幅減、野菜・果物好きが減る傾向  JA総研の消費行動調査

 野菜を毎日食べる人は、平成21年調査では72%だったが今年は65%と、1年間で7ポイントも落ちた。主な原因は、猛暑による野菜の高騰や一般消費者の収入減による食費削減にあると見られるが、全体的に野菜や果物を好んで食べる人が減っており、仮に価格が下がっても消費減退のトレンドに変わりはないのではないか。JA総研は10月末、今年の「野菜・果実の消費行動に関する調査結果」を発表した。

 野菜を食べる人は昨年の調査に比べて「ほぼ毎日食べる」が全体で7ポイントほど落ちたほか、「週に1回かそれ以下、または食べない」は、昨年の9%から、今年は12%と3ポイント増えた。特に単身男性では、昨年の18%から27%と9ポイントも増えた。単身男性の「ほぼ毎日」「週に4〜5回」は56%と7ポイント減だった。
 果物を食べる頻度も同じく減少しており、全体で「ほぼ毎日」が昨年30%から28%に2ポイント減り、「週に1回かそれ以下、または食べない」が34%から38%に4ポイント増えた。


◆食べなくても不満感じず

 野菜・果物を食べる頻度が減った一方、「もっと食べる必要があると思う」と答えた人は野菜で昨年とほとんど変わらず45%ほど、果物で2ポイントほど増えて52%だった。
 「もっと食べる必要があると思う」と答えた人に、どんなきっかけがあればよいか、と聞いたところ、野菜・果物ともに「安くなれば」がトップ(野菜54%、果物68%)だったが、野菜では次点に「手間をかけずに食べられれば」43%、4位に「時間に余裕があれば」32%とあり、果物では次点に「カットフルーツが安くなれば」34%、4位に「食べたい量だけ買えれば」31%とあり、野菜・果物ともに、食べるのに手間がかかる、1個(パック)買っても食べきれない、などの理由で敬遠している人が多いとの印象を受ける。
 しかし加工品が選ばれるようになったというわけではなく、加工品を「週に1回かそれ以下、または食べない」と答えた人はカットフルーツが8割以上、野菜サラダが7割、ジュース類が5割前後と昨年とほとんど変わっていない。
 一方、野菜・果物が好きかどうか、の質問では全体的に95%が「好き」「どちらかといえば好き」と答えたものの、主婦・単身女性ともに「好き」が3〜5ポイント減って7割ほど、「どちらかといえば好き」が同程度増えて2〜3割となっており、概ね好んではいるものの消極的になった感が否めない。また、単身男性では野菜を「嫌い」「どちらかといえば嫌い」と答えた人が5%から12%へ大幅に増えた。
 JA総研では「今後も野菜・果物を好む人が減れば、価格や手間などに関係なく消費減退が進む可能性がある」と指摘し、「この傾向が一過性のものか、継続的なものか、来年以降も調査を継続して検討したい」としている。

野菜を食べる割合

 

果物を食べる割合
◆購入先はスーパーがほぼ100%、ネット販売も目立つ

 日ごろ野菜・果物を購入している場所では、ともに「スーパー・量販店」が97%で断トツの1位。次いで「青果店・八百屋」、「生協」が2〜3割となっている。「農産物直売所」は2割、「農協」は7%ほど。野菜では「スーパーのネット販売」も7%ほどと目立った。
 野菜購入時に国産品を選ぶかどうか、では36%が「価格に関係なく選ぶ」と答え、40%が「価格差が許容範囲であれば」と答えた。その許容範囲は「2割まで」が34%、「3割まで」が24%。

 全国の消費者を対象にしたJA総研の農畜産物の消費行動調査は、20年1月から(1)米、(2)野菜、(3)果実、(4)畜産物などの各品目別に随時行っている。今回の調査は通算9回目。7月下旬に、全国の主婦・単身男女を対象にインターネットモニターを通じて行った。

(2010.11.04)