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夏の猛暑でパン市場が縮小

 富士経済は2010年の小売パン市場は前年比を1.3%下回る―と11月19日、発表した。

 チャネル別に分けると量販店やコンビニで販売される流通パンの2010年の小売市場は前年比+0.1%の1兆4045億円と前年並みとした。前半は好調だったものの夏の猛暑による売上げ減少が響いた。
 業態別にみると量販店では前年比を割ったがコンビニの伸び率は前年比+0.8%と需要は微増。甘味をつめたフィリングタイプのパンやベーカリースイーツの支持の高まりなどが要因にある。
 ベーカリーパン市場は節約志向の高まりや新型インフルエンザの流行による買い控えで市場が縮小した2009年をさらに下回る3924億円(前年比93.9%)となった。猛暑による消費の減少で、単価の高い店舗ほど影響を受けるとみている。
 焼き立てを売りにした量販店のインストアベーカリーでは、安価な菓子パンなど定番商品の需要は安定しているものの、食パンは節約志向で安い流通市場に需要がシフトしている傾向だ。
 カフェやコーヒーショップなど外食店舗の売上げは前年比0.9%減の681億円。ここでも夏場の猛暑が影響し、注文数が伸びたドリンクに対しパンメニューは減少した。
 注目市場である焼成済み、半焼成済み冷凍パンは前年比2ポイント増の153億円となった。冷凍パン生地より高価であるが、機器や技術の必要がなく賞味期限が長いためロスが少ないというメリットで需要が伸びている。しかし主要ユーザーであるカフェチェーンや外食市場の店舗数や売上げの伸びが影響し、伸び率の動きは鈍くなっている。

(2010.11.24)