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ネットスーパーなどの躍進続く  富士経済

 富士経済は食品ダイレクトセールス市場の調査結果をまとめ、ネットスーパーやインターネット通販などは今後さらに拡大していく――と4月12日発表した。

◆大手企業の活発な参入

 2010年のネットスーパー()市場は大手チェーンの成長や店舗拡大などにより569億円で、前年を35.8%上回った。
 07年からネットスーパー展開店舗を拡大してきたイトーヨーカ堂は10年末時点の会員数が70万人を超え、市場シェアは50%に近い。11年以降もユニー、イオン、ダイエーなど大手企業の参入で市場はさらに活性化するとして前年比37.3%増の781億円を見込んでいる。その中で「生鮮品は直接手にとって購入したい」という顧客のニーズをどうクリアするかが今後の課題だ。

会員からインターネットや電話などで受けた注文を、既存店舗や商品センターから自宅に配達する食品宅配サービス)


◆生協の宅配事業は苦境に

 一方、10年の生協の宅配事業は0.7%減の1兆1800億円となった。インターネットの普及がマイナス成長の要因のひとつにあり、高齢利用者の多い生協ではネット注文が宅配利用者の20%程度と普及していないのが現状だ。
 また宅配日が週一回であることから、希望日時に配達可能な他のネットスーパーに比べて利便性に劣る点で新規需要獲得の面でも伸び悩んでいる。
 11年も他のネットスーパーとの競争により下降傾向で推移するとして、1兆1720億円を見込んでいる。


◆4050代利用も上昇―ネット通販

 インターネット通販の利用は20〜30代をメインに40〜50代の利用者も上昇し、10年は前年比20.2%増の2645億円となった。
 自宅にいながら買い物できる手軽さや、体力的、時間的に買い物に出かけることができないユーザーにとって日常的な買い物手段として認識されつつあり、11年は3073億円を見込んでいる。
 今後は買い物弱者も多く通販ニーズの高まる70代に向けインターネットとの接点を増やすことや、これまでのように付加価値商品だけでない一般食品の品揃えを強化することが成長を続けるカギとなる。


◆ウォーターサーバーも好成長

 サーバーを有料で貸出し、ミネラルウォーターを販売するウォーターサーバー市場は消費者の安全に対する意識の高まり、買い物弱者による購入の増加で10年は前年比17.2%増の708億円となった。飲料、食品メーカーからの新規参入、ユーザーの増加によって11年も18.5%増の839億円を見込んでおり、12年には1000億円に達すると予想している。

(2011.04.14)