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米を食べる回数増える 経済情勢や健康志向の高まり背景に  JC総研調査

 JC総研は毎年、各農畜産物の消費行動に関する調査を行っている。7月12日に米の消費に関する平成24年調査結果をまとめ、発表した。それによると、1週間の食事の中で米を主食にした回数は13.3食(全食事数は3食×7日=21食)で、0.08ポイントとわずかだが昨年の調査に比べて増えた。米食を増やしたと答えた人の理由としては、意識的にパン・麺類を減らして米を増やしたり、特に単身者が昼食に弁当をつくるようになったことなどがある。JC総研ではこれらの背景には、経済的理由や健康志向の高まりなどがあるのではないかと分析している。

◆自給率上げるため、米食べる

 1週間の主食調査では、米の回数が13.3でトップ。次いでパン3.83、麺類1.92、その他0.84で、食べなかったが1.13あった。
 米食の内訳は、家庭で炊飯(自宅で作る弁当を含む)が10.98、次いで弁当・おにぎりなどの調理済み米食(いわゆる中食)が1.04、外食が1.0、レトルトご飯やもちなどの加工米食が0.28だった。特に家庭での炊飯が増えたのは単身男性で、週に7食以上増えた人が4.2%もあった。
 今後、家庭での炊飯を増やしたいかどうかについては、「増やしたい」が14.7%、「減らしたい」が1.5%となった。「増やしたい」は、リーマンショックが起きた21年に23.9%となってから昨年調査まで2年連続で減少傾向だったが、今年は3年ぶりに増えた。
 その理由としては、「外食を減らして家で食べることを増やしたい」42.1%、「パン・麺類を減らしてご飯を増やしたい」33.9%、「健康のため」34.3%の3つがとくに高かったが、ほかには「食料自給率を上げるため」が11.4%と昨年に比べて3.9ポイントも増えており、食料自給率に対する関心が高まっていることがわかった。

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◆増えるネット販売と縁故米

 本調査では米の購入についても聞いた。
 米の主な入手先のトップは「スーパー」42.3%だが、次いで「親兄弟・親戚・知人などから無償で入手」18.9%、「生協」7.1%、「ネット販売」6.3%と続く。
 「無償で入手」と答えた人を年齢別にまとめると20代以下から30代が圧倒的。JC総研では「若い世代の経済的苦境を如実に表す結果」と分析している。
 入手先で伸びが顕著なのは「ネット販売」だ。3年前は2.1%だったので、この3年間で3倍に増えたことになる。「ネット販売」を使う主な理由は、「重い米を持ち歩かなくて済む」、「さまざまな価格帯・産地・銘柄が選べる」など。「無償で入手」も4年前に比べ3.3ポイント増加した。一方、大きく減らしているのは「生協」、「生産者から直接購入」だ。特に「生協」は減少が著しく、4年前の調査から毎年減り続け、トータルで4.2ポイントも落ちている。
 1回に買う米の量は5kgが最多だが、年々10kg、30kgが増えている。これは「経済情勢の悪化から、割安感のある大袋が選ばれる傾向が強まっている」(JC総研)と見ている。
 米の売り場に対する要望では、「品種別の特徴を紹介してほしい」、「試食したい」、「農薬の使用状況を知りたい」などが上位。そのほか、「取っ手付きなど持ち運びやすい容器を作ってほしい」、「冷蔵庫に入れられるような容器にしてほしい」など、従来の袋売りとは異なる容器を望む声も多くあった。

◇   ◇

 当該調査は24年3月中旬にインターネットを利用し年齢・性別等不問で行い、2090人から回答を得た。JC総研ではこのほか、野菜、畜産物、果樹など品種別の消費行動調査を行っている。

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