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生乳生産量760万トン、ほぼ前年並み Jミルクが24年度の需給見通し

 日本酪農乳業協会(Jミルク)は12月7日に需給委員会を開き、平成24年度の生乳と牛乳乳製品の需給見通しと当面の課題について取りまとめた。13日に公表した。

◆乳飲料、発酵乳の生産量のびる

 需給見通しは、平成24年4月から10月までの実績と、11月から25年3月までの予測で算出された。
 それによると、24年度の生乳生産量は北海道393万4000トン、都府県366万9000トンで、全国計760万2000トンと、ほぼ前年並みか、やや前年を下回る見込みとなった。
 生乳生産量から自家消費量5万8000トンを除いた754万4000トンが24年度の生乳供給量となる。前年に比べて1.3%増となる。このうち、牛乳等向けが403万トンで前年比1%減となったため、乳製品向けが351万5000トンで同4.1%増になる見込みだ。
 牛乳、加工乳、乳飲料、成分無調生乳を合算した牛乳類全体の生産量は490万1000klで前年より0.9%減。このうち牛乳の生産量は305万6000klで同0.7%減とやや減だったが、加工乳が同27.2%減、成分調整牛乳が同5.6%減と大幅に減った。一方、乳飲料は23年度に引き続き好調で、134万4000klで同3.7%増となる。
 また、牛乳類には含まれないが、発酵乳(ヨーグルトなど)が98万3000klで同10.1%増と大幅に増え、過去最高を更新した。

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◆バターの不足感は解消傾向

 脱脂粉乳・バターなどの特定乳製品の需給については、生産量が前年を上回って推移する一方、消費量は前年を下回っていることから、23年度のような不足感はなくなる見込み。脱脂粉乳、バターともに消費量が前年比3%ほど減り、期末在庫量は3.4カ月分になる。在庫量は脱脂粉乳が前年比減だが、バターは前年比増。
 ただし、バターについては、7400トンのカレントアクセス輸入分に加えて、さらに2000トンの追加輸入を実施した結果であり、Jミルクでは「次年度以降の見通しは分からないが、引き続きカレントアクセス輸入をしなければバターの安定供給は難しい」と見ている。
 また、消費量が前年比減となった大きな要因は供給不足にあり、「需給が安定すれば、消費量は回復するだろう」と見込んでいる。
 Jミルクでは、こうした需給の見通しを踏まえて、「今後の酪農乳業界の発展のためには、縮小均衡を容認してはいけない。生産者段階では生産基盤の強化を、業界団体では需要を増やすための取り組みをそれぞれ進め、牛乳乳製品の消費を総合的に高める方策を業界全体で検討していきたい」としている。


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