放牧畜産の全国協議会設立2019年5月16日
個人会員・組織会員などを募集中
(一社)日本草地畜産種子協会は、5月14日、同協会に事務局を置く「全国放牧畜産ネットワーク協議会」が新たに設立されたことを発表した。同協議会は、現在、会員を募集している。
同協議会は、優れた飼養管理方法である放牧畜産について、その良さを情報発信し、研修会、情報交換などを行い、放牧技術の研鑽や、放牧畜産認証を取得した畜産物による6次産業化の推進などを行うことを目的として設立された。
現在、会員を募集している。同協議会では、今年の放牧シーズンの開始に当たり、すでに放牧を実践している農家に加え、新規に放牧畜産を行う予定の農家や若い担い手の加入を期待している。
わが国の畜産は、TPP11やEUとの経済連携協定の発効などによって、将来的に畜産物の輸入増大が懸念されている。このような情勢にあって、安全で安心な国内畜産物を消費者に届けるためには、生産コストを低減し、国内生産畜産物の価格を輸入畜産物に近づける努力が必要となる。また、消費者の安全・安心志向に、国産飼料(自給飼料)による機能性成分に富んだ良質な畜産物を生産・供給することも重要である。
こうした点で、放牧は、安価な自給飼料の活用による飼料費の低減に加え、糞尿処理費や家畜の治療費の節減、繁殖率や共用年数の向上など家畜償却費の低減、さらには資料収穫などの労働の省力化も実現する。また、放牧畜産物には、β-カロテンやビタミンEなどが豊富に含まれるほか、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点からも優れた飼養方法である。
生産者にとっても、放牧は、働く者にゆとりを与え、新たな担い手が就農する大きな動機付けとなるうえ、景観の面でも豊かな農村の維持に貢献するといえる。
同協議会はこうした考えの下、2019年2月13日に設立総会を開催し、本格的な活動を開始した。この度、さらに会員拡大をめざして会員募集を行うこととした。
入会案内は、事務局である(一社)日本草地畜産種子協会(ホームページ)で行っている。
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