JAの活動 ニュース詳細

2017.05.31 
信用事業の価値を確認 事業譲渡・代理店化は疑問 新世紀JA研究会セミナー一覧へ

 新世紀JA研究会(代表=八木岡努JA水戸組合長)は5月29日、東京都渋谷区代々木のJA東京南新宿ビルで、第8回の「総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー」を開き、信用事業譲渡・代理店化について報告と意見交換を行なった。この中で東京を中心に近県のJA企画担当者らが自主的に研究した報告は、「営農経済部門の黒字・赤字を問わず、信用事業の価値を見極めるべきだ」と強調している。全国から約110人が参加した。

会場ぎっしりのセミナー参加者(東京・代々木のJA東京南新宿ビル) セミナーでは、農林中金総研基礎研究部の清水徹朗部長が、日本の農協の歴史に果たしてきた信用事業の重要性を強調した。その上で現在の事業譲渡・代理店化が、JA・信連・農林中金が全体として一つの金融機関として機能する運営システムを確立するため、JAバンク法の制定以来準備されてきた政府のシナリオであることを指摘し、「農業資金等の融通を行なう信用事業は農協の総合的な活動の極めて重要な一部。信用事業を行うことは農業者の経営状況をより正確に把握し、総合的な営農指導ができる」と、信用事業〝分離〟に疑問を投げかけた。
 JA職員による自主研究は、新世紀JA研究会の企画部会小委員会として、JA東京中央経営企画課の荒川博孝課長を委員長に6人の委員が行なった。信用事業譲渡を組合員サイドと事業・経営サイドから、その影響を分析した。その結果、「農業者の所得増大につながらない。また現在のJAバンクシステムを遵守することで、盤石な体制を構築してきたことにより、各JAが安定した経営をすることができた」と、信用事業譲渡はリスク軽減につながらないと報告。その上で荒川課長は「信用事業の価値をしっかり見極める必要がある」と強調した。
 さらに愛媛県JAえひめ南の黒田義人組合長は、同県で活発な事業を行なっていた、かんきつの専門農協が経営難に陥り、JAえひめ南を存続法人として合併することで、危機を脱した経緯を報告。「兼営を排除して得るものと失うものの判断は、定款自治のもと現行の総合農協が行えばよいことだ」と、JAの主体的なあり方を問題提起した。
 ディスカッションでは、JAの信用事業とフィンテック(金融とITの融合)、代理店化した場合の手数料、公認会計士監査に耐えられる内部統制、経営効率化のためのJA間の連携のあり方などで意見や質問があった。
(写真)会場ぎっしりのセミナー参加者(東京・代々木のJA東京南新宿ビル)

一覧はこちら


このページの先頭へ

このページの先頭へ