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2016.11.22 
規制改革提言「全部押し戻すことが大事」-森山前農相 新世紀JA研の要請活動で一覧へ

 森山ひろし(示す編に谷)前農相は11月22日午前、新世紀JA研究会(代表:八木岡努JA水戸代表理事組合長)が国会内で行った要請活動に応えるなかで、規制改革推進会議の提言について「今回の農協改革(に関する意見)はよけいなこと。全部押し戻すことが大事。農家の意見を聞いていないから、やり直しをしなければならない」などと述べ、政府・与党で意見調整をするのではなく、規制改革推進会議側に差し戻すことが筋との考えを強調した。

◆農協改革「よけいな」提言

左から要望書を手渡した八木岡代表、森山議員、山田議員、藤木議員。 森山前農相は、規制改革推進会議農業WGが11月11日に「3つの意見書」を発表していることの問題点を改めて指摘した。
 ひとつは「総合的なTPP関連政策大綱に基づく『生産者の所得向上につながる生産資材価格形成の仕組みの見直し』及び『生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立』に向けた施策の具体化の方向」である。昨年10月の大筋合意を受けて始まったTPP関連対策の議論のうち、この秋までに決めるとされた積み残しの12項目に関わる生産資材や加工流通のあり方に関するもので、自民党も小泉PTで議論してきているテーマだ。
 もうひとつは「牛乳・乳製品の生産・流通等の改革に関する意見」。これも政府・与党でこの秋に取りまとめることになっており、規制改革推進会議が提言を出すことも予定されていた。いずれも提言の問題点はあり、たとえば指定団体制度の堅持などは譲れない点として政府・与党で調整しまとめていくというプロセスは考えられる。
 しかし、「農協改革に関する意見」については森山氏は「突然出てきた。よけいなこと」などと強く批判した。
 自民党で農協改革PTの座長も務めた森山氏は「農協改革は時間をかけてしっかりやろうと5年間を推進期間とすることを決めて政府にも申し入れた。しっかり見届けることが大事。協同組合はみなさんがしっかり主体性をもって決めていくことが大切」と八木岡代表ら出席者に強調し、今回の提言は5年間を改革期間として実践するとした政府・与党の決定を逸脱する提言であり「今なぜやらなければならないかがいちばんの問題。このペーパーについて(内容が)どうこういうとおかしくなる。全部押し戻すことが大事だ」、「(提言を受けとれば)政治が持たないと思う」と内容以前の問題だとの認識を示した。

◆現場の声聞いていない

 出席者からは、安倍総理が7日の規制改革推進会議の本会議で「みなさまから頂いた提案を私が責任をもって実行していく」とあいさつし、11日の農業WG会合では委員の本間正義東大教授が「このペーパーの位置づけは総理が、私が責任をもって実行するとおっしゃっているのでまさにそこがポイントだと思う」と発言していることを懸念する指摘も出た。
 これに対して森山氏は安倍総理は「真に農業者の立場に立った提言をまとめていただきたい」と前段で発言していることを指摘し「農家の声を聞いていないのだから(提言は)やり直しをしなければならない」との考えを示したほか「第二全農」との言葉が出てくることについて「国が協同組合をつくれるはずがない。子どもだましみたいな話をしていると思う」とばっさり切って捨てた。
 要請には山田俊男参議院議員と藤木眞也参議院議員も出席した。
 山田氏は「自己改革をしっかり展開することは大事だが、規制改革推進会議の提言は撤回すべき。修正文で(事態を)治めていこうということなら、とんでもない」などと述べ、藤木氏も「しっかりと押し返していくべきだと思う」と党内で意見書の位置づけそのものを引き続き問題にした考えを示した。
 八木岡代表は自己改革に取り組みつつ、国民に農業、食料の大切さをしっかり訴えていきたいと話すと同時に21日の緊急集会では、規制改革推進会議を解散させよという意見も会場から出たことなどを紹介し「自分たちが選んだ議員が政策を決めるべきだ」と強調した。

◆自民党内に不満高まる
 
衆院国会対策委員長室で要望書を竹下自民党国対委員長(左)に渡す八木岡会長 八木岡代表らは衆議院内の自民党国会対策委員長室で竹下亘国対委員長にも要請書を手渡した。
 八木岡代表は規制改革推進会議に対して「農業の大切さも大変さも分かっていない現場を知らない人の議論だ」などと訴えると、竹下氏は「自主的な組織である農協が地方を守っている。土地改良事業など全部、農協が汗をかいてやっている。泥臭いことは完全に抜け落ちている。経済合理性だけでは学者の論文」と批判し、党内でも「いっぺん引っ込めさせ、やり直させなければ受け取りようがないという声が相当出ている」などと話していた。
(写真)左から要望書を手渡した八木岡代表、山田議員、森山議員、藤木議員。衆院国会対策委員長室で要望書を竹下自民党国対委員長(左)に渡す八木岡会長

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