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特集:緊急特集:日米貿易協定

2019.10.29 
【緊急特集:日米貿易協定】政府・与党は説明責任果たせ 萬代宣雄・新世紀JA研究会名誉代表一覧へ

新世紀JA研究会名誉代表・島根県農業協同組合元代表理事組合長 萬代宣雄

 2015年10月5日にアトランタでTPPの交渉が大筋合意に至った。農産物重要5品目の関税を守るという衆参両院の決議を踏みにじって約29%(重要5品目594品目のうち170品目)の関税引き下げを行ったにも関わらず、安倍総理が「衆参両院の決議は守った」と平気な顔で国民に胸を張ったのが今でも忘れられない。

 よくもそんなことが言えるものだ。以来、私の安倍総理に対する信頼感はゼロどころかマイナスと評価せざるを得ない。また、自民党議員からも「それは違う、守れていない」と声をあげる者が誰一人いなかった事実に、党としての体質についても大きな疑問を持つようになったことを鮮明に記憶している。
 交渉事は必ず相手がいるわけであり、いくら衆参両院の決議要請があるにしても、政府の立場として妥協せざるを得ないことがあるくらいは承知している。本当に守ることができたなら胸を張るのも当然かもしれないが、「譲歩せざるを得なかったが、日本国発展のために理解してもらいたい。譲歩によりマイナスとなる部分や食料自給率向上の約束を果たすため、具体的な農業振興策を実施し、日本国の農政推進の中で責任を持つ」と、なぜ言えないのか。
 そうした中で、今回の日米貿易協定の締結である。政府試算によると農林水産物の生産額が600~1100億円減少するが、国内対策を構ずれば生産量にも影響はなく、食料自給率も変わらない見通しだとしている。対策の前提となる政策大綱も決まっておらず、生産量への「影響ゼロ」の根拠も示されていない。どうしたらこうなるのか、国民が解るように説明してもらいたい。
 今回の日米貿易協定における「ウィンウィンの結論」の中身の説明を強く求めたいものだ。同時に、先の参院選の公約についても説明してもらいたい。食料自給率45%はどうやって実現するのか。飼料用米を含む水田フル活用の予算について「恒久的に確保する」としていたがどうなっているのか。
 重要な部分をうやむやにして進める手法は絶対に認められない。そして、国民は、要職に就く者が発した言葉、約束を忘れない。責任ある対処をしてもらいたい。


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