世界初 少ない窒素肥料で高い生産性を示すコムギの開発に成功 国際農研2021年9月2日
国際農研は、国際コムギ・トウモロコシ改良センター(CIMMYT)、バスク大学、日本大学生物資源科学部と共同で、窒素肥料の量を減らしても高い生産性を示すコムギの開発に成功。窒素汚染の防止と食料増産をアンモニウムの活用により両立することが期待される。
土壌中における窒素肥料の変換過程(硝化)と生物的硝化抑制(BNI)
開発に成功したのは、多収コムギ品種に野生近縁種の持つ高い生物的硝化抑制BNI能を付与した、世界初のBNI 強化コムギ。高いBNI能を持つ野生コムギ近縁種であるオオハマニンニクの属間交配により、多収品種にBNI能を付与した。この過程で、オオハマニンニクの持つBNI能を制御する染色体領域を特定し、交配によるBNI能の導入が可能になる。
また、BNI強化コムギは、土壌中のアンモニウムの硝化を遅らせることで、土壌のアンモニウム濃度を向上させ、低窒素環境でもコムギの生産性を高めることができる。同研究は農林水産省「みどりの食料システム戦略」にも位置付けられている。
世界の約2億2500万ヘクタールものコムギ生産地域に向け、様々なコムギ品種にオオハマニンニク由来のBNI能を付加することで、硝化による農地からの温室効果ガス排出や水質汚染を低減。生産性を向上させながら、地球温暖化を緩和することが期待できる。
同研究の成果は8月24日、科学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of United States of America (PNAS)」オンライン版に掲載された。
BNI強化コムギ(例:BNI強化Munal)
重要な記事
最新の記事
-
"寄り添う"活動で信用・期待に応える態勢づくり JA共済連2025年7月31日
-
共済金支払総額3兆5475億円 経常利益1002億円 JA共済連決算2025年7月31日
-
【人事異動】JA共済連(7月31日付)2025年7月31日
-
米流通「目詰まり」確認できず 流通多様化で系統集荷34万t減 農水省2025年7月31日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】日米関税交渉の評価で見落とされている視点2025年7月31日
-
切り花価格の高騰で消費者は買い控え【花づくりの現場から 宇田明】第65回2025年7月31日
-
消え行くヒエ・アワ・キビ・モロコシ、続くは何?【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第351回2025年7月31日
-
九州一の梨産地から「福岡県産なしフェア」全農直営飲食店舗で開催2025年7月31日
-
「福岡県産シャインマスカットフェア」銀座・京都の直営飲食店で8月1日から JA全農2025年7月31日
-
「発酵そみファフェア」直営飲食店舗で8月1日から開催 JA全農2025年7月31日
-
藤原紀香と貴島明日香が初共演「ゆるふわちゃんねる」開設当時を振返る JAタウン2025年7月31日
-
JAタウン「博多うまかショップ」で「ハズレなし!夏のおみくじキャンペーン」実施中2025年7月31日
-
JAおおいがわ、ホテイフーズと共同 茶殻肥料を製品化 静岡県で地域資源循環型農業 伊藤園2025年7月31日
-
「米飯のおいしさ評価用語体系」公開 農研機構2025年7月31日
-
機砥部事業所が愛媛県知事より感謝状 献血啓発の長年の取り組みが評価 井関農機2025年7月31日
-
鳥インフル 英サマセット州などからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年7月31日
-
防除DXアプリ「TENRYO」米のAI病害虫予測に対応 個人農家版アプリもリリース ミライ菜園2025年7月31日
-
米の新しい魅力に出会うカフェ「YANMAR CAFE」オープン ヤンマー2025年7月31日
-
鳥インフル ベルギーからの家きん肉等 一時輸入停止を解除 農水省2025年7月31日
-
第18回「アグリフードEXPO東京2025」開催 日本公庫2025年7月31日