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【岩手県生協連会長】
加藤 善正 氏

 「ほとんどが政府・内閣官房の提出したデータや資料、即ち、TPP参加を推進する立場からの資料や見解、多くの組合員や役職員からは精読できないほどの膨大な生データ、日本生協連のこれまでの農業問題などに関する一方的な見解の資料である」。3月17日に日本生協連がホームページで公表したTPP資料集について論じた。

 加藤氏は「反対の論旨、見解はほとんどない『資料集』」だと評する。
 資料集は全6部構成。それぞれのタイトルを示して「解らない人への疑問に答えるような優しい表題が示すように、一見客観的な装いをしているが、そのほとんどはTPP推進論や内閣官房や官僚が作成した資料や統計が連なっている」と指摘する。その内容については、「かつて『社会保障の給付と負担』という「消費税率引き上げやむなし」論を是認するような学習テキストを発行し学習の場を組織したが、これも厚生労働省の資料と見解PRであった。それを思い出す内容だ」という。
 この資料集の影響については、「本質的批判的見解がないため、マスコミが一斉に流す「TPP参加礼賛キャンペーン」に影響を受け、こうした批判的見解に触れていない組合員や役職員にとっては、マスコミのプロパガンダを一層信用することになり、日本生協連理事会が結果的にこのプロパガンダを支援する形で作用する」のではないか、と危惧している。
 加藤氏は、1940年北海道滝上町生まれ。2003年にいわて生協理事長を退職し県連会長理事に就任。現在、TPP反対岩手県民会議世話人を務める。

(提言「協同組合らしい生協の視座が見えない 日本生協連TPP資料集を読んで」

(2011.04.13)