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雨に強い小麦の新品種を開発 汎用性の高さにも期待  農研機構など

 農研機構と九州沖縄農業研究センターは小麦の新品種「ちくごまる」を開発したと5月7日発表した。

 新品種は早生で、雨による障害に強く、作りやすい利点がある。コムギ縞萎縮病にも強く、同病の発生地域でも栽培できる。
 また「農林61号」と同様のでん粉特性を持ち、日本めん(うどん)だけでなく、菓子などにも利用できる小麦粉が得られるという。
 農林61号の小麦粉は丸ぼうろや黒棒などの特産品にも利用されてきた。しかし熟期が遅く長稈のため、登熟後期の雨で倒伏しやすく、コムギ縞萎縮病の発生地域が広がる中、作付地域が限られるなど、需要があるにもかかわらず生産量は低下を続けてきた。
 また平成12年の麦類の民間流通への移行後「チクゴイズミ」など低アミロースタイプの品種の生産過剰、いわゆる「ミスマッチ」が問題となった。このタイプの小麦は菓子などへの加工適性が低く汎用性に劣る。
 こうした中で九州地域では農林61号の栽培上の弱点を克服し、用途面で、これに代わる新品種が求められていた。
 「ちくごまる」は秋播性が強くて遅い霜の害に遭いにくい性質を持つ品種の育成を目標として、早生で高品質の「羽系95―68」と、早生で秋播性が強い「羽系96―103」を交配して育成した。

《低アミロースタイプ》
小麦でん粉はアミロースとアミロペクチンからなる。比率は3対7。アミロースの割合が少ないほど、めんの食感が良い。アミロースを合成する遺伝子3つのうち1つか2つが機能を失い、アミロースの含有率が25%程度に低下している品種を低アミロースタイプとしている。

「ちくごまる」穂揃い期の姿(左:農林61号、右:ちくごまる)


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