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「冷凍野菜素材」に人気 富士経済の市場調査  納豆は縮小

 富士経済は2011年の加工食品市場調査のうち70品目の動向をまとめ2月21日、報告書を発表した。

 報告は、注目市場として冷凍野菜のうち数種類を混ぜた「ミックスベジタブル」や「〜野菜ミックス」などの『冷凍野菜素材系ミックス』を挙げた。
 下ごしらえなしで調理できる簡便性が単身・高齢者世帯に受けている。内食傾向が高まる中、2010年は生鮮野菜の高値で冷凍野菜の需要が高まった。
 11年は原発事故による国産野菜の敬遠もあった。また中国産の加工済みホウレンソウが昨秋から輸入解禁となったことも追い風になるとみられる。
 『冷凍野菜素材系ミックス』の市場は10年が36億円で前年比3%の拡大。11年は39億円で8%増を見込む。
 05年のブーム終焉から市場が縮小している『めかぶ』も注目市場だ。11年は主要産地の三陸が大震災で原料調達を韓国・中国に切り替えた企業も多いものの完全復旧には時間がかかる見通し。11年は102億円で前年比74%に縮小する見込み。
 納豆は発酵食品なので計画停電時の安定的生産が難しいが、大手企業が新商品投入などでがんばり、11年通年の市場は1053億円となって前年比5%程度の縮小にとどまると見られる。
 コメ消費の減少があり、参入企業の撤退などもあるが、2012年の納豆は通年の安定供給が可能なため市場は一時的に回復が予想される。今後は原料大豆や包材の値上がりなどを企業努力でカバーすることにも限界があるため、上位企業への集約や参入企業の撤退が予測される。
 この報告書は農産加工品25品目、畜産同12、水産同18、乳油同15の4カテゴリー70品目の動向を調査分析した。


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