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生産量増える力強い家庭用 冷凍食品協会の調査

 (社)日本冷凍食品協会は冷凍食品の生産と消費を調べ、4月18日発表した。

 平成23年の国内生産は数量が141万7907tで前年比1・3%、金額(工場出荷額)が6349億円で0・5%増加した。数量は2年連続の増加で、3年ぶりに140万tを上回った。金額も3年ぶりの増加。
 東日本大震災の影響は大きかったが、内食志向による家庭用の伸びや、中食需要の好調、被災による減産分を他工場などで一定程度をカバーできたことなどから、被災による減産を相殺した。
 内訳は、業務用が86万4300tで4年ぶりに0・6%の微増だったが、金額は3703億円で4年連続の減少。
 一方、家庭用は55万3600tで2・5%増。金額は2646億円で2・6%増。これで昨年の過去最高を更新した。
 この結果、比率は数量ベースで業務用61%、家庭用39%。金額ベースでは58%強と42%弱となり、家庭用が高くなっている。
 業務用では外食向けが減少する中で、中食向けの堅調から数量では前年並みとなったが、原材料などの価格が上昇傾向にある中で金額は伸びておらず、デフレ基調が続いていることがうかがわれる。


◆水産関係は減少

 品目別生産量では国内生産の8割以上を占める調理食品、農産物が増加し、反対に水産物、畜産物、菓子類が減少した。
 前年比で増加量が大きかったのは、うどん、グラタン、ハンバーグなど。逆に減少量が大きかったのはイカ・タコ類、カツ、タコ焼・お好み焼など。
 水産物の減少が大きいのは大震災で製造工場が被災したためと考えられる。


◆輸入ものは大幅増

 輸入をみると、冷凍野菜は2年連続で増加し、財務省貿易統計によると23年は約90万tで過去最高となった。前年比では8・4%の伸び。金額も1202億円に増えた。
 輸入増加の主な品目はポテト、ホウレンソウ、ブロッコリー。主な輸入先は中国、米国、タイ、カナダなど。
 調理冷凍食品を取り扱っている同協会会員社のうち37社を対象にした調査では、輸入の数量も金額もともに3年連続して増加した。 国別では輸入量の大部分を占める中国、タイが増加したため全体の輸入量が押し上げられた。
 震災の影響で一部商品が海外製品にシフトしたこと、内食志向の強まりで家庭用が伸びたことや中食の需要も好調に推移したことから大幅な輸入の増加となった。
 同協会は冷凍食品の国内生産量、冷凍野菜輸入量、調理冷凍食品輸入量の合計約256万3060tを「消費量」としている。これを総人口で割った国民1人当たりの年間消費量は約20kgとなった。
 これは過去最大だった18年の消費量(約269万t)には及ばないものの2年連続増加し、1人当たりの消費量も4年ぶりに20kgを上回った。


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