ウッドファースト実現、国産望む国民の後押し必要 森林組合トップセミナー開催2015年8月3日
農林中金と全森連は、7月30、31日に「森林組合トップセミナー・森林再生基金事業発表会」をホテル日航東京で行なった。森林組合関係者ら約300人が出席し、来賓として林野庁今井敏長官も出席した。森林再生基金の助成対象先7団体の事業発表と、昨年10月に全森連と全木連で宣言された「ウッドファースト社会の実現」に向けてどう取り組んでいくべきかについて、島田泰助全木連副会長の基調講演などが行われた。
基調講演で島田泰助全国木材組合連合会副会長は、耐火性や荷重の問題でコンクリートなど非木材になっていた建築物を、もう一度木材に変えていくチャンスがきている。実際に木材の耐火性や耐力壁などを強化する開発も進んでいる。可能にするには国産を望む国民の後押しが必要だと話した。
昨年度の住宅の木造率が67.8%、非住宅の木造率は5.8%。都市部で高層ビルの床材などに積極的に木材を利用し、「まず東京が使えば、地方産業の元気がでる」と、行動パターンを変えることが日本の林業活性化につながるとした。
木材を優先するウッドファースト社会実現には5~10年、さらにはもっと長い目でみていく必要がある。これまで政府の政策は、禿山となった森林の再生をメインとし、木の利用ではなく森林を守る動きが続いてきたが、これからは、公共建築物等木材利用促進法の制定などにより、木材の利用がどんどん活発化していくと話した。
主催者あいさつで全森連の佐藤重会長も「木材の需要拡大なくして、林業の活性化はなしえないという共通認識のもと、木材の売り手買い手の枠組みを超えて連携し、木材を優先的に活用していく社会の実現をめざしたい」と改めて全森連と全木連の間で交わされた「ウッドファースト社会の実現」宣言の重要性を強調した。
農林中金の河野良雄理事長は「長期にわたる木材価格低迷、鳥獣被害の深刻化など厳しい状況が続くなか、森林組合系統が自ら積極的に変化し、環境に適合していくことが重要」と述べ、今年度は「変革への挑戦」をコンセプトにしていくと述べた。
森林再生基金(FRONT80)の26年度助成金対象の大田原市森林組合、中越よつば森林組合、信州上小森林組合、十津川村森林組合、隠岐島前森林組合、カルスト森林組合、対馬森林組合の7団体から事例報告がされた。
(写真)森林組合トップセミナー・森林再生基金事業発表会 講演の様子
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