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組織力と量を武器に 市場出荷で有利販売2018年5月14日

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・JAちばみどりに学ぶ
・新世紀JA研究会セミナー

千葉県のJAちばみどりは、園芸品の取扱高約320億円を誇る全国でもトップクラスの野菜産地である。その取り組みを学ぼうと、新世紀JA研究会は5月10、11日、同JAで第24回のセミナーを開いた。同JAは市場出荷を基本に量の強みを活かして、有利な販売を実現し、生産者の所得向上につなげている。セミナーの報告から、同JAの販売・ブランド戦略をみる。

全国一の生産量を誇るJAちばみどりの春キャベツ JAちばみどりは千葉県の太平洋に面する最東端にあり、温暖な気候を活かした園芸が盛んで、60品目を超える野菜がある。同JAの販売品取扱高は約317億8000万円で、そのうち8割強が園芸作物。そのなかでも野菜が9割強を占める。
 なかでも、野菜全体の約27%(平成29年度)がキャベツで、11月から翌年の6月のはじめまで,関東市場を席巻し、プライスリーダー的な存在感を示している。ついでダイコン(約17%)、キュウリ(約14%)の3品目が大きい。。
 同JA管内は銚子市、旭市を中心に匝瑳市、横芝光町からなり、販売農家数は6233戸で、うち専業農家1985戸。千葉県全体の販売農家の約11%、専業農家の同13%を占める。

(写真)全国一の生産量を誇るJAちばみどりの春キャベツ
写真をクリックすると大きな写真が表示されます。

 

◆いつでも、何でも

新世紀JA研究会第24回セミナーの会場 その販売戦略は、東京まで100km余りという地理的条件と組織力を活かしてオールシーズン、品目、品質、物量を安定的に供給できる産地として実需者・消費者に認知される「ちばみどりブランド」を確立することにある。つまり、ちばみどりブランドは,単に個々の品目ではなく、地域自体やその地域の生産物全体をブランドと位置付ける。
 産地の強みについて、同JAの鈴木隆・営農経済担当常務は「温暖という自然環境のもとで農産物が豊富であるとともに、産地を支える主力野菜が、『何でも、いつでもある』というJAちばみどりのイメージを一層強めたい」という。
 さらに、同JAの販売の大きな特徴は、大規模産地の利点を最大限に活かした共販と市場流通を柱にしているところにある。1割ほどの契約販売や直売を除き、ほとんどが首都圏を中心とする市場出荷となっている。
 同JAは卸売市場を「ちばみどり」ブランドの理解者、販売戦略のパートナー・PR活動の協力者として位置付ける。鈴木常務は「生産者と卸売市場関係者の相互訪問などでコミュニケーションを深めており、顔の見える関係によって相互の信頼関係ができている」という。

(写真)新世紀JA研究会第24回セミナー会場の様子

 

◆生産者の組織が核

予冷施設から出荷されるキャベツ(JAちばみどりの「銚子グリーンセンター」) JAちばみどりの園芸で産地を支えているのは生産者の組織である。同JAは6つの地区からなり、キャベツ、ダイコン、キュウリ、イチゴなど、それぞれ地区ごとに重点作目がある。
 地区ごとに生産者が運営する組織があり、全体で25組織のもと、50近い組合(部会)がある。生産者はいずれかの組織、部会に属し、栽培から収穫、選別など、自主的に運営する。JAはその組織をサポートする役目を担う。
 また、6つの地区それぞれに,その地区の作目に合わせた営農センター(選果場等)があり、部会単位に所属している。
 さらに地区を越えて導入が進んでいるミニトマト、イチゴ、春菊、パセリ、キュウリなどの生産者組織(部会あるいは研究会)があり、約3500人の生産者が属する。その上で全体を網羅する「JAちばみどり園芸連絡協議会」があり、販売品取扱高317億円のうち258億円を束ねる。
 同協議会のなかで最大の規模を誇る「JAちばみどり銚子野菜連合会」はキャベツ・大根・トウモロコシの生産を主とする生産者約600人の組織で、春キャベツ・春大根では全国トップの生産量を誇る。
 連絡協議会はピーク時に約5500人の会員がいたが、現在は約3500人。それでも全販売農家の半数強を占める。鈴木常務は、今後の課題として、生産組織の統一による一層の活性化を挙げる。
 現在の生産組織は合併前のJAの組織を基盤にしている。合併後18年を経て、この統一が課題となっている。同常務は、「ブランド力を強化し、生産者の所得を上げるには、作目別部会の統一を検討する必要がある」と将来を展望する。
 特に市場出荷でブランド力を高めるには規格の確立が欠かせない。併せてGAP(農業生産工程管理)やGI(地理的表示)取得なども視野に入れている。
 同JAの販売戦略は市場出荷が基本だが、それ以外の契約販売や直売にも力を入れている。現在は販売取扱高の10%程度だが、スーパーのインショップとして出店した直売所が好評で、30年にはこれを30%ほどに拡大する計画である。
 組合員の所得をアップ、そのための生産量の拡大が必要という鈴木常務は「JAちばみどりは販売がすべて。1円にこだわる販売を常に考えている」という。同JAの年間の園芸品目の販売量は約15万6000t。1kg1円高く売れると、生産者の手取りは単純計算で1億5000万円増えることになるというわけだ。
 「この考えで中計の取り組み、成果を挙げてきた。これからも一層、組合員から頼られるJAを目ざす」と意欲を示す。

(写真)予冷施設から出荷されるキャベツ
(JAちばみどりの「銚子グリーンセンター」)

写真をクリックすると大きな写真が表示されます。

 

◆労働力確保が課題

 JAちばみどりは、平成28年度から3年間の第2次中期経営計画に取り組んできた。そのなかで、営農指導事業で栽培マニュアルの充実、担い手訪問対策の強化、担い手不足実態のアンケート調査を行い、担い手に関しては4300戸のうち500戸が担い手不在ということなどが分かった。同JAの向後忠信専務は、これを「喫緊の課題」として、挙げる。
 担い手だけでなく、労働力事情も厳しくなっており、同JAの調査によると、特に規模の大きい生産者を中心に80戸ほどが150人前後の外国人実習生を入れている。また、季節あるいは日々の作業量の差が大きい選果場の作業員確保も難しくなってきた。
 生産者数は減っても生産は維持している。1経営当たりの規模が大きくなっているのだが、それだけに担い手・労働力の確保は、産地維持にとって大きな課題となっている。

 

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