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シリーズ:新世紀JA研究会 課題別セミナー

2017.04.05 
資材価格の引き下げ実践【JAひまわり参事・竹内康浩氏】一覧へ

肥料 超大口にも対応
農薬 複数仕入れで価格抑制
資材 汎用段ボール開発へ

 政府の「規制改革推進会議・農業ワーキンググループ」は、昨年11月農協改革に関する衝撃的な提言を行いました。内容は、JA全農の購買事業からの撤退、販売事業について1年以内での買い取り販売への転換、3年後を目途にしたJA信用事業の半減などでした。この、いわばJA解体ともいえるプログラムを国が進捗管理するということで、さすがに与党自民党からも反対意見が噴出し、改革はJAの自己改革が基本ということになりましたが、なお予断を許さない状況にあります。そのなかでJA全農は、政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」を受け、経済事業の自己改革に向けての基本的取り組み事項およびその年次計画を3月28日の総代会で決定しました。今回の紙上セミナーでは、3月22日の「危機突破・課題別セミナー」で議論した農業生産資材の引き下げを取り上げます。

JAひまわり参事・竹内康浩氏 JAひまわりは愛知県の東部に位置し、豊川市が管内となります。当JA管内の農業は、温暖な気候で日射量が多いなど好条件な自然環境にあり、全域にわたって多様な農業生産を保持することで、県下3位の出荷額を誇る東三河の中核的農業地帯となっています。
 農畜産物の販売取扱高は約123億円。購買品供給高は約54億6000万円。肥料は、商系業者による小口の商品発注が難しく、物流コストを考えると系統利用にメリットがあるため系統利用率が高く、約7割を占めます。農薬は、多数の取引先から仕入れることで仕入価格の抑制を図っており、系統利用は25%程度。出荷資材はすべてが系統からというのではなく、商系からの仕入も多数あり、系統利用率は6割程度です。

肥料仕入れ
〈コンテナによる肥料・土改材の輸入〉

 主な取扱商品は養液栽培用の単肥肥料、ココナツチップ、ピートモス、輸入わら等です。露地野菜、水稲は経費に占める肥料コストの割合が高くなっています。そのため土壌診断の推奨と分析結果に基づいたL型肥料や塩加カリ肥料の提案、取り扱いを始めることでコスト低減を進めています。

【組合員への取り組み】
〈大口取引農家からの要望にも対応したA、B、C3段階の価格設定をした取りまとめ〉

 昨年度から水田の大規模経営農家に対して、A価格の上にさらに200袋以上のS価格を設定することで超大口購入者への対応も取り組みを始めました。また大幅な値上げ前には臨時の取りまとめを行い、取扱店舗にそのことの案内を掲示しています。
 このように計画的な物流や配送コスト等を考慮した中でJAにとっても、組合員にとってもメリットのある取り組みを模索しながら対応しています。

農薬仕入れ
〈系統を含む6社から相見積もりをとり、仕入先の選定と価格決定を基本とする〉

 多くの業者から見積もりをとることで、仕入価格の上昇を牽制し、低価格仕入の強化を目指しています。花き連合の農薬仕入に関しては、通常仕入れの相見積もりとは別に2か月に1回の別見積もりによる仕入れを実施しています。

【組合員への取り組み】
〈農薬の使用量が多い花農家に対して花き連合価格の設定〉

 花き類は経費に占める農薬の割合が非常に高く、経営面積の大きな農家では大量に使用します。そのため仕入れの強化を図るとともに、2か月に1回の花き連合一括取りまとめによる特別価格対応を実施しています。その中でも使用頻度の高い農薬はケース単位の購入を条件にしていますが、さらに値引きした価格設定をすることで価格引き下げを実施しています。

資材仕入れ
〈段ボールを白から茶へ、パックデザインを印刷から立体的表現に、現状商品への新たな機能付加の検討などによる低コスト化〉

 十分な輸送試験を行い、市場への着荷状態にも問題がないことを確認した上で、生産部会と協議して切り替え・導入しています。現在は、縦型であるバラの湿式輸送容器の課題が発生しており、大田花き市場の手数料の変更(9・5%→8・0%)に伴い、新たに「荷さばき料」がかかります。そこでウォーターパックの改良について検討しています。

【組合員への取り組み】
〈段ボールへの名入れサービス、取りまとめの年間スケジュール化とパレット予約、汎用性段ボールの開発など〉

 多種多様な作物の栽培に対応するため、段ボールを一からデザインし、専用の段ボールを製造するとかなり高くなるため、いろいろな用途に使えるJA名入り出荷容器を検討し、汎用性段ボール(2種類)を作成しています。また、需要が少なく割高になる段ボールの低コスト化を検討しています。

◆肥料直送は幅広く

《全農への要望》
 (1)施設園芸農家に対する肥料価格対策の検討。
 当JAは施設園芸農家が多く、担い手直送輸入化成肥料の取り扱い対象になる農家がほとんどいません。多くの組合員が利用できる対策を検討していただきたい。
 (2)ジェネリック農薬の登録。
 新規の農薬も含め上手な防除を行いつつ、より農薬コストを下げるためには、低コストのジェネリック農薬の製造・販売が必要です。また、汚れが少なく、取り扱いやすいものへの変更も併せて考えていただけると作物のよごれが軽減され、使用者への影響も少ない。
 (3)マイナーな栽培作物での農薬登録拡大。
 グループ化して登録ができるよう関係機関へ働きかけ、積極的な登録拡大を行っていただきたい。
 (4)JA独自商品の開発。
 JAグループオリジナルの商品を持つことで新たな提案と農家所得の向上、労力の軽減等につなげていきたい。
 (5)本当に農家が求めているのは販売力の強化。契約販売、海外への新たな販路の確保など販売力の強化に繋がる取り組みを。
 (6)単協の職員は全農の職員とほとんど接点がありません。単協の職員は全農の情報が知りたい。全農の職員の皆さんには、単協の現状を知ってほしい。
 新世紀JA研究会のこのようなセミナーなどを通じて、単協と全農が密な連携ができることを希望します。
 価格引き下げには限界があると思いますが、農家所得確保のためには良い商品を極力低価格で供給できるように努力をお願いしたい。
(写真)JAひまわり参事・竹内康浩氏

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