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JAの活動:農協改革を乗り越えて -農業協同組合に生きる 明日への挑戦―

【前半】焼き芋を武器に所得向上 JAなめがた(茨城県)2017年11月8日

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 茨城県のJAなめがたは正組合員9000人余りで、農産物の販売額が100億円を超す営農経済事業を核とするJA。特に野菜の加工や小売業者など、他業種と提携した契約生産・販売等で生産者の所得増大につなげている。中でもカンショは「焼き芋販売戦略」で、これまでの焼き芋のイメージを変え、あらたな消費層を掘り起こした。棚谷保男組合長は「消費のニーズに細かく対応し、全体で大きな産地にすること」と、産地づくりのポイントを強調する。

 JAなめがた管内は、茨城県の霞ヶ浦東側にある半島状の地形で、小高い山が織りなし、台地状の農地には、一面にサツマイモ畑が広がる。土壌は関東ローム層の赤ボクで、野菜の栽培に適している。加えて太平洋に面した温暖な気候から、年間を通じてさまざまな野菜が栽培できる。都心から100km圏内にあって、生鮮野菜の供給地として産地化が進んでいる。平成28年度の販売取扱高約103億5000万円のうち、青果物が93億3000万円を占める。

◆金融危機が契機に

JAなめがた・棚谷組合長 取扱高の増加には、リーマンショックによる金融不安が契機となったマーケット戦略の転換がある。このとき、青果物の販売高が約10億円落ちた。JAなめがたの棚谷保男組合長は、新しい販売戦略を「販売は小さく、産地は大きく」と言う。つまり、地場消費から大手量販店まで、多様なニーズに対応できるようにするというもので、これを販売の基本理念とし、全品目の産地戦略の抜本的見直しを行なった。
 同JA管内には、大規模畑作によるカンショなどの露地野菜のほか、促成栽培のエシャレットやレンコン、大葉など多くの品目がある。しかし、そのほとんどが中・小規模で、近辺のJAのピーマン、メロン、レンコンのような、販売高で40億円、50億円を占めるという作目がなかった。最も大きいカンショが6億円ほどで、「いわば顔のない産地だった。多品目産地では金融不安に勝てなかったのだ」と棚谷組合長は振り返る。
 消費ニーズへ対応するための産地対応として、最初に集落別組織を販売ニーズに合わせたグループに再編した。つまり販売方法・販売先ごとに生産者を組織した。その背景には、生産部会員が法人や専業農家、女性・高齢者などに多様化しており、これまでの集落別組織では、多様で細かい消費ニーズに対応できないという実状があった。
 そこで、生産者の合意形成のため、情報の共有を徹底し、手挙げ方式でグルーピングした。つまり、大量生産によって周年を通じた安定価格を実現するには企業的経営の組合員、こだわり・ブランド品による販売には家族的経営、そして産直・直売所での販売には女性や中高年齢者というように、それぞれの経営実態によって分けた。
 この体制で、最初に取り組んだのが、そのころ消費が伸びていたミズナだった。当時、食品の残留農薬が問題なっていたが、これに対していち早く生産履歴の公表に踏み切った。生産履歴の記帳は各産地で行なわれていたものの、それを公表する方法がなかった。そこで国の食品総合研究所と県がNTTドコモと共同で開発したQRコードによる読み取り方法を導入した。これは全国でもJAなめがたが最初だった。

(写真)JAなめがた・棚谷組合長

◆産地は生産に専念

一面に広がるカンショ畑(写真)一面に広がるカンショ畑

 ミズナに続いて平成20年にはカンショに挑戦。カンショでは生産者、生産部会そしてJAがやるべきことを明確にした。つまり、これまでの産地化は、産地側が仕分けや包装、消費宣伝などを行なっていたが、市場や量販店などの取り引き先が望むものを作ると、やり方しだいで産地は生産に専念できる。同JAはミズナ、カンショでそのような仕組みをつくってきた。「市場や量販店が求め、提案するものは、納入を待ち構えている量販店にパッケージまでやってもらえる。6次産業化といっても、基本は分業。産地、市場、量販店が分担して、それぞれの役目を果たすことができる」と棚谷組合長は言う。
 ただ、「分業が進みすぎてお互いの顔が見えなくなると不安になる。産地と同じテーブルについて行う意見交換が大事になる」と、カンショの販売・加工で、作る側、売る側が徹底して議論を重ねた。その結果、生まれたのが「JAなめがた焼き芋戦略」だ。もともと管内は葉タバコの産地で、それに代わってカンショが入っていたが、主にデンプン加工原料用として栽培されていた。
 そこで最初に取り組んだのは、1年を通じて供給できる「焼き芋」に適した食味のよいカンショを生産することで、県の関係機関と連携して「甘藷技術体系化チーム」を立ち上げるなど、味に関わる内容成分の分析、食味のよい品質の栽培技術の確立に努めた。このなかで焼き芋の焼き方には徹底してこだわった。
 もともと焼き芋は「ほくほく」感が重要と考えられていたが、若い女性や子どもにはスイーツ感覚としてとらえられており、しっとりした食感のものが好まれる。JAでは甘藷技術体系化チームが中心になって、科学的データに基づき 365日いつ食べてもおいしい焼き芋が食べられるように、焼き方の研究を繰り返し、芋の大きさごとに焼き時間を割り出し、市場や量販店などにPRした。また、スーパー店舗内焼き芋販売というこれまでにない新たなニーズを創出した。
 さらに、JA・甘藷部会と、加工原料用カンショで・・・

※続きは【後半】焼き芋を武器に所得向上 JAなめがた(茨城県)をご覧下さい。

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