いもち病に高い防除効果示す2015年11月5日
新規水稲用殺菌剤「トルプロカルブ剤」農薬登録取得
三井化学アグロ
三井化学アグロ株式会社(谷和功社長)は、北興化学工業(株)と共に、新規有効成分トルプロカルブを含む水稲用殺菌剤5剤の農林水産省農薬登録を、2015年9月18日に取得した。販売開始は2016年3月を予定している。
トルプロカルブは、三井化学アグロ(株)が、園芸用殺菌剤の創薬推進過程で、イネいもち病菌に対し防除効果を有するアミノ酸アミド系化合物群を見出し、その化学構造と生物活性との相関から最も安定した防除効果を示す化合物として選抜したもの。
2005年から社内試験を、2010年から(一社)日本植物防疫協会を通じて全国規模の公式委託試験を開始し、いもち病に対し、育苗箱施用や本田湛水散布施用で安定した効果を示すことが明かとなった。
トルプロカルブは、イネいもち病菌のメラニン生合成を阻害することで感染を防止し、卓効を示す。これまで知られている2種のメラニン生合成阻害剤とは異なる酵素を阻害する、新作用機構の殺菌剤だ。
また浸透移行性に優れているため、イネの根から吸収されて効果を発揮することや、土壌による効果の変動も受けにくいなどの特長もある。
さらにトルプロカルブは、発生拡大が危惧されている呼吸阻害剤QoIに耐性のイネいもち病菌や、既存のメラニン生合成阻害剤MBI-Dに耐性を示すイネいもち病菌にも交差耐性を示さず、高い防除効果を発揮する。
同社は今後トルプロカルブ剤を、コメの安定生産に貢献していく殺菌剤として育成していく考えだ。
◎有効成分トルプロカルブを含む水稲用殺菌剤5剤の適用
○「サンブラス粒剤」(三井)、「ゴウケツ粒剤」(北興)は、水稲本田湛水散布で、いもち病防除に使用できる。
○「ガッツスター粒剤」(三井)、「ゴウケツモンスター粒剤」(北興)は、水稲本田湛水散布で、いもち病及びウンカ類、ツマグロヨコバイの防除に使用できる。
○「サントリプル箱粒剤」(三井)は、水稲育苗箱施用剤で、いもち病のほか、もみ枯細菌病、コブノメイガ、ウンカ類、ツマグロヨコバイ、イネドロオイムシ、イネミズゾウムシを対象病害虫とする適用を取得した。
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