光で天敵呼び寄せ アザミウマを防除2016年9月15日
農研機構生物機能利用研究部門は(株)シグレイ、筑波大学と共同で、「光を使って天敵を集める」ことで害虫のアザミウマを防除する技術を開発、9月14日に公表した。露地栽培でも使える。
外灯にハエや蛾が集まっている様子をみられるが、これを選択的に光の波数や色を選択することで、誘引する虫を選別することができる。
紫色の光(波長405nm)にはアザミウマやアブラムシの天敵ナミヒメハナカメムシが誘引されることがわかった。これを利用し、天敵を畑に呼び寄せ、害虫を捕食させることができる。
ナスの露地栽培で、日没前後に3時間紫色の光を照射したところ、照射しないときに比べ、天敵ナミヒメハナカメムシの数が10倍になり、アザミウマは60%減少した。
日没時間前後に照射することについて、農研機構の研究担当霜田政美氏は「虫が移動する時間帯というものがある。今回の天敵カメムシはこの時間帯に移動をする。他の時間に照射してもあまり効力はない」と話す。また「露地栽培で研究を進めたが、他の害虫が誘引される影響はなかった」と話した。
アザミウマはナスやトマトなどに害を与える害虫で、「すでに殺虫剤に対して抵抗性を持っていると言っていい」と指摘。このように薬剤抵抗性のある害虫、そして一般の消費者の間で無農薬・減農薬野菜のニーズが拡大していることもあり、次世代の害虫防除技術について研究がすすめられている。
今回研究で使用したナスでは、微小害虫による被害損失が年間150億円に上るといわれている。
2年後の商品化を目指している。それに先立ち、(株)シグレイが「光利用型天敵農業サービスパックお試し版」の提供を9月から始めている(写真)。価格は1万円/1a×月数。連絡先はメール:contact@shigray.com。
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