JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

大池全農会長引責辞任へ (3/6)

会見写真
  JA全農の大池裕会長は3月6日夜の記者会見で「私を本部長とする対策本部と、その下に調査委員会を設置し、全農チキンフーズの法令違反などの発生原因や責任の所在などについて徹底調査する」と対策を示し、「調査結果がまとまり、再発防止の道筋がつけば、任期を待たずに責任をとって会長を辞任する」と表明した。また「調査結果を踏まえて関係者を厳正に処分する」と述べた。
 会見には会長、堀喬専務、三村浩昭常務が出席。「国民、関係者の信頼を裏切ったことを深くおわびする」と頭を下げ、生産者を代表する全国団体として、また関連会社の管理・監督責任者である全農の社会的責任は非常に重い」との認識を示し、記者の質問に答えて次のように語った。
大池裕会長
大池裕会長
 失った信頼の回復と再発防止のため、全農と関連会社約200社の事業を総点検する。取り扱い商品が法的規制に合っているかどうかをはじめ、製造から販売に至るまでの責任体制、各部署のけん制機能なども5月末までに点検する。
 その際、意識改革も重視し、コンプライアンス(法令順守)の職場風土を確立していきたい。
 チキンフーズは数県の経済連と提携しているが、系統ブロイラー事業全体を視野に入れて同社の機能を見直す。生産と販売がもっと密接に連動するような仕組みができないか、他の関連会社との連携や、会社の統廃合も含めて考えたい。
 同社の違反は欠品を避けたい余りに起きた個人的なものだが、順法精神の欠如は組織の責任だ。
 大池会長は在職1期目で任期は7月だが、調査が年度内に終わり、総点検が5月に終了すれば7月を待たずに引責辞任することも見込まれる。
◇   ◇   ◇
 なお、6日のJA全中理事会のあいさつで原田睦民会長は「問題はJAグループ全体に波及しかねない。国民に食料を供給している誇りを失うことなく、自ら顧みて綱紀が緩んでいないかを点検し、法令順守と食料の安全確保に万全を期してほしい」と強く訴えた。

 関連記事  事業の抜本的見直し必至−全農チキンフーズが虚偽表示


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp