農業協同組合新聞 JACOM
   
特集 生産者と消費者の架け橋を築くJA青年部の役割

第52回JA全国青年大会開催
Open the Attack!!
今こそ改革の勇者となれ
JA全国農協青年組織協議会


 第52回JA全国青年大会が2月14、15日に開催された。今年の大会は経営所得安定対策等大綱が19年度から実施されるのを前に、担い手が強く意識された大会だった。青年農業者として地域で中心的な役割を果たしている盟友が、全国から1000人以上集まった。発言者の多くから、我々が日本の農業を担い、守るんだという強い決意が感じられた。JA全青協としてもJA運営に積極的に関わり、現場から改革を求め、足腰の強い農業経営をうちたてようと、さまざまな活動を展開している。大会期間中、全国の仲間が一堂に会し互いの農業経験や課題などを話し合った。
 大会を機に本紙は「特集・生産者と消費者の架け橋を築くJA青年部の役割」を企画した。青年農業者と青年部の活躍が期待される。

会長、副会長を先頭にWTO交渉のアピールでパレード(左)ガンバロー三唱する役員(中央)JA青年組織綱領を読み上げる参加者(右)
会長、副会長を先頭にWTO交渉のアピールでパレード(左)
ガンバロー三唱する役員(中央)
JA青年組織綱領を読み上げる参加者(右)


◆青年組織が地域の農業を守り育てる
 「Open the Attack 〜今こそ変革の勇者となれ〜」が今回のメインスローガン。藤木眞也JA全青協会長は、「国の内外に厳しい農業情勢を抱えている中で、全青協は昨年『基本問題検討委員会』を立ち上げ、新たな基本計画に向けた提言をまとめた。その結果、我々の意見も入れたかたちで経営所得安定対策等大綱が決まった。今、現場では担い手づくりを進めているが、地域の農業を守り育てるのは我々だとの自覚を持ってほしい」と、青年部が中心となって地域農業を守るよう訴えた。(関連記事)
 また、WTO農業交渉については、昨年12月の香港閣僚会議でモダリティ合意が先送りになったことに関して、「今後、アメリカ、オーストラリアなど食料輸出国の攻勢が強まることが予想される。そのような情勢を認識すると同時に、青年農業者の一層の連帯を強め、日本農業を守ろう」と、青年部の役割が期待されていることを強調した。

◆組織の活性化により、盟友獲得を

 しかし、JA青年部では全国的に盟友数の減少が進んでおり、このところ毎年3000〜5000人の規模で盟友が減少している。
 今大会では高齢化による脱会だけでなく、具体的な加入促進対策、青年組織の位置づけの明確化などの取り組みが不十分なことなどが要因とされた。また、JAでの青年部の組織化は約6割、今後青年部運動として十分な役割を果たせないことも考えられる。
 そのような状況の中、組織の活性化に向けた取り組みでは、組織基盤の強化を揚げ、JA青年部仲間づくり運動を展開し、全国区の盟友数10万人獲得を目標に揚げている。
 特に、全青協創立50周年記念事業の一環として製作した『青年部加入推進パンフレット〜食と農の未来は俺たちに任せろ〜』を活用し、新規加入を呼びかけている。また、青年部代表によるJA理事就任を進め、担い手のためのJA改革をめざす。1JA1理事の実現をめざし、123人が理事に就任した。また、昨年3月の全中総合審議会の答申で、中央会理事に担い手・女性代表の就任が提起され、8月から全青協会長が全中理事に就任した。他の全国連では、7月から全農参与、全共連参与に、10月から農協観光取締役に全青協代表者がそれぞれ就任している。

◆食育・食農教育の充実、消費者との交流も

 
日本農業の振興に向けた取り組みの中では、農水省、地方自治体などで構成する「食料自給率向上委員会」の構成員としての活動、耕畜連携を進めるため農家間のネットワークづくりの大切さ、食育の推進、農業体験推進大会への参加などを通じて収穫の喜びを子どもたちに伝える運動や、学校給食へ地元農産物を供給する活動など食農教育の推進などを行ったことが報告された。
 WTO農業交渉では、モダリティのたたき台提示が予定されていた昨年7月末に合わせ、ノルウェー農業者連盟が企画したウォークラリーに参加。7月23日から26日にかけ、スイスの農村地帯を約114km歩き、WTO本部では9ヵ国農業者団体合同の共同宣言をグローサー委員長に手渡した。
 また、12月に開かれたWTO香港閣僚会議では、政府交渉支援の立場から、代表団を派遣し各国の農業団体と意見を交換するなど、国際的な活動も積極的に進めている。

◆現場からの改革を断行 国民に理解される政策を

 
19年度から、担い手を対象とした新たな政策が始まる。担い手づくりに向けた取り組みが本格化するなか、担い手として中心的役割を果たすのが青年部のメンバーだ。大会では、「戦後農政の大転換期を迎え、今後、我々は世界的視野に立ち日本農業の在り方を発信し、国民に理解される農業政策の確立に向けて、生産現場の声を伝え勇気ある改革を断行しよう」との大会宣言を採択。また、「農に生きる者として、生産する喜びを感じ、強く逞しい行動をもって自己の研鑽を図り、より深い見識と高い意欲を持った青年農業者の育成を自らが行うことが組織活性化への最大の近道であることを確信し、期待に応えるよう成長しなければならない」と、青年農業者としての自覚と決意が盛り込まれた。
 大会参加者の発言に、「自然の中で季節を感じながら働ける」、「成果が目に見えてやりがいがある」など農業に対して肯定的、積極的な発言を多く聞いた。そのような言葉を大会参加者、全国の盟友が共有できるような活動が今後期待される。

◆大会終了後、官庁街をパレード

  2日目恒例の1分間スピーチでは、全国の盟友が壇上で自分の思いを語った。その中で、「自分たちの考えを主張するのに、なんで“パレード”なんだ」という声があった。それに対し、藤木会長は、「我々はWTO農業交渉日本案を支持している。政府・農水省にがんばって欲しいというメッセージを込めて、デモではなく“パレード”した」と語り、大会終了後に行われるWTO農業交渉日本提案実現支援要請パレードに理解を求めた。
 パレードは九州ブロックを先頭に日比谷公園を出発、国会議事堂で請願行動を行った。参加者は『WTO日本提案を実現しよう』、『関税の上限設定反対』などのスローガンを農水省に向け声高に叫んだり、道行く人にWTO農業交渉日本提案の実現を訴えた。

あふれるエネルギーと無限の可能性で未来を切り拓こう

宮田勇 JA全中会長

 「昨年10月に決定した『経営所得安定対策等大綱』策定の際、全青協が提案した政策提言は全中はじめ、政府・与党から高い評価を得た。青年部の要望を踏まえ、現在JAグループは各地域で進めている担い手づくりに万全の体制で臨んでいる。昨年8月から全青協会長がJA全中理事に就任したことは、JA運営の参画に積極的に取り組んできた青年組織に対する評価として意義あるもの。
 現在、WTO農業交渉が重大な局面を迎えており、4月末までのモダリティ確立に向け、今後具体的な数字に関する交渉が始まる。青年部としても日本提案の実現に向け、しっかり交渉の行方を注視してほしい。そして、一人でも多くの人が正確な交渉結果を知ると同時に、仲間に伝え、組織の力とすることがなによりのJA運動となるだろう。また、農業を通じた地域づくりに向け、21世紀を担う子どもたちのいのちと心を育み、明るく豊かな人間形成のため、学童農園や農業体験等を通じた「食育教育」が重要な役割を果たしている。
 こうした取り組みは、青年部にこそ求められている活動だ。今大会のテーマである「オープン・ザ・アタック〜今こそ改革の勇者となれ〜」の精神で、自らが発信し、行動しようという運動が大きな成果を生み、青年部のみなさんのあふれるエネルギーと無限の可能性によって未来を切り拓いていくことを期待する」


仲間がいて、農業を行うことの楽しさを発表

 JA青年の主張全国大会は、文化活動を通して仲間づくりを行い、自分の夢でもあり地域の夢でもある『めだかの学校』を将来つくろうという意欲が高く評価されたのと、発表姿勢が非常に良かったとの理由でJA全中会長賞(最優秀賞)には、JAしんせい五戸青年部の佐々木一徳さんが選ばれた。
 また、JA青年組織活動実績発表会では、▽地元地域との交流、都市部でのプレゼンテーションなどを行い生産者と消費者を近づける活動、▽教育機関と連携して「食育教育」を進め次世代に対する働きかけを行っている、などが青年農業者の熱いハートを強く感じさせたと評価され、JAかもと青年部果樹部会が、千石興太郎賞(最優秀賞)を受賞した。

(2006.2.24)



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