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【日本農薬】
3年間で1剤創出 研究開発力強化し、世界トップ10めざす  日本農薬

 日本農薬は11月29日、東京都内で2012年9月期の決算発表会を開いた。

将来ビジョンを紹介する神山社長 既報の通り(JAcom 2012.11.15付)、同社の12年度決算は国内外での農薬販売が好調だったため、過去最高益を達成した。
 発表会で神山洋一代表取締役社長は、過去6年間毎年売上高400億円ほど、営業利益50億円ほどという安定した業績を納めてきたが、「今期より、安定から成長路線へとかじ取りする」ことを明言。12年から新たに取り組む中期計画と、次期中期計画を経て6年後の18年には売上高1000億円、営業利益100億円をめざす。
 そのための戦略としては、現在売上高の65%を占める国内を含んだアジア全体で、売上高の8割を占めているが、この販売地域の偏りをなくすために南米、アフリカにも市場を拡げることや、これまで高価格品を中心に販売していた日本、北米、欧州などでも低価格品を販売することなどを計画している。
 また、従来通り、売上高の1割を研究開発に投資し、3年間で1剤創出という研究開発力の強化にも引き続き取り組んでいく考えだ。具体的な新剤開発としては、15年に抵抗性ハダニ類にも有効な新ダニ剤「ダニコング」を、18年には果樹、野菜、水稲、芝など幅広い分野に適用を持ち優れた残効性、耐雨性、浸透移行性を持つ新規汎用性殺菌剤NNF-0721を上市する予定だ。
 「2018年を通過点として、将来的には売上高2000億円以上の世界トップ10の研究開発型企業をめざす」(神山社長)としている。

(写真)
将来ビジョンを紹介する神山社長


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