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【新潟県・神林カントリー農園代表取締役】
忠 聡 氏

 「収量減、品質低下、価格下落のトリプルパンチに見舞われた。経営面積が大きいほどダメージが大きいだろう」と今年の生産現場の状況を説明した。

 神林カントリー農園は新潟県北部に位置する。66haという広い面積で水稲中心の経営だが、モチ米の作付けもあり加工も手がけているため、常時雇用者も多い。戸別所得補償の水田モデル事業について「大規模経営するためには恒常的に人を雇う必要があるのに、なぜ家族労働費の8割なのか」と首をかしげる。
 生産現場の状況を「収量が例年より8%減り、一等米比率も昨年は9割ほどだったのが今年は3割以下で歩留まりが悪い。コメは直販が主なので他に比べて被害は小さいが、やはり価格下落も大きなダメージになった」と説明し、あわせて昨年比1000万以上の減収となったが、11月末に振り込まれた固定払い金ではまったくこの減収分を補いきれていない。「昨年と作付けは変わらないので、コストは減っていない。単純な販売不振と不作だけで、これだけの赤字を抱えた」という。
 来年度から本格的に実施される戸別所得補償制度の規模加算について、一定の評価はするものの「規模拡大したからといって、若者が就農するとは思えない。結局、担い手の問題は解決されずに残るだろう」と指摘した。

食・農・環フォーラム2010シンポジウム

(2010.12.14)