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【農研機構 九州沖縄農業研究センター】
直播でも倒れない、業務加工用多収水稲「たちはるか」

 農研機構九州沖縄農業研究センターは、直播でも倒れにくく、良食味で、耐病性が高く、一般の主食用米より2割近く多収となる水稲新品種「たちはるか」を育成した。低コストで多収の新品種として、主に西日本での業務加工用栽培としての作付拡大を期待している。

葉いもち幼苗検定における発病 「たちはるか」は、倒伏に強く縞葉枯病、穂いもちに強いWCS用「西海飼253号(タチアオバ)」と、いもち病に強い主食用「中部11号(みねはるか)」から育成した。
 国内の水稲品種としては、初めていもち病抵抗性遺伝子2個と、縞葉枯病の抵抗性遺伝子1個を同時に導入することに成功したため、病害耐性が非常に高く、農薬施用を削減し、低コスト栽培につながる品種だ。
 千粒重が25.3gとやや大粒なため、1aあたり収量は移植栽培で63kgと「ヒノヒカリ」より9kg多く、また直播栽培でも65.4kgと多収品種の「あきまさり」より3.5kgも多い。
 米の外観品質は、腹白や乳白米の発生が多くやや劣るが、食味は「ヒノヒカリ」、「コシヒカリ」とほぼ同じ。玄米のタンパク質含有率が6.2%と低いため、加工用では酒造用(掛米)への適性が高い。
 平成24年3月に品種登録を出願し、すでに京都の酒造メーカーが原料米として使うことを予定しており、岡山の生産法人でも24年産米から作付を行った。
 農研機構では「多収性、低コスト性を活かし、弁当、醸造用、米粉用など業務加工用」での作付拡大を期待している。

育成地における草姿


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