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【農研機構 近畿中国四国農業研究センター】
糖の多いWCS用イネ「たちあやか」 農研機構

 農研機構の近畿中国四国農業研究センター(近中四農研)は、WCS用水稲新品種「たちあやか」を育成した。牛が消化しやすい茎葉の割合が高く、また、糖の含有量が多いため発酵しやすい、倒伏しにくいなどの特徴がある。

(写真は3品種の穂。(右から)たちすずか、ホシアオバ、たちあやか) 西日本では飼料用イネとして「ホシアオバ」が普及しているが、糖分が少なくサイレージ発酵がうまくいかないなどの課題があった。
 近中四農研は、こうした課題を克服するため平成22年に茎の割合や糖分が多く、倒れにくいWCS用イネ「たちすずか」を育成した。しかし、この1品種のみでは、収穫期の作業や農機の利用が効率的にできないなどの問題があり、新たに「たちすずか」の特性をそのままにして登熟期を早めた早生品種として、「たちあやか」を育成した。
 「たちあやか」の特性は、「たちすずか」とほぼ同じだ。出穂後約30日の乾物重で、茎葉と籾の割合が、「ホシアオバ」は6対4程度なのに対し、「たちあやか」「たちすずか」は9割ほどが茎葉だ(写真参照)。また、糖含量も「ホシアオバ」が3%弱なのに対し、両品種は6%以上と高い。
 出穂期は「たちすずか」が9月上旬だが、「たちあやか」は8月中頃と2〜3週間ほど早い。「両品種を組み合わせることで作期を分散させることができ、WCSの安定生産に貢献できる」(近中四農研)と期待している。
 ただし、縞紋枯病への抵抗性がないため、縞紋枯病が発生しやすい地帯での作付はできないという。
 24年産では岡山、広島、島根で試作されており、今後も数十haの作付が見込まれているという。

(写真は3品種の穂。(右から)たちすずか、ホシアオバ、たちあやか)


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