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田植え前に消費者が1年間の米消費を約束

−パルシステムの予約登録米

 生協連合会のパルシステムでは、1995年(平成7年)から独自の制度として、田植え前の段階で産地と1年間の契約を結び、登録者分を優先的に届けてもらう「予約登録米」を実施している。これは、93年の冷害による米不足をきっかけに生まれたものだが、現在では、収穫前から年間購入予約をすることで、化学合成農薬や化学肥料にできるだけ頼らない「環境保全型」米作りを応援する制度になっているという。  パルシステム加盟生協で共通して予約登録できる米は、北海道ほしのゆめ(JA北いぶき・5kg無洗米)、エコ・新潟こしひかり(JAささかみ・5kg普通精米と無洗米、3kg無洗米)など12産地の11品目と、...

 生協連合会のパルシステムでは、1995年(平成7年)から独自の制度として、田植え前の段階で産地と1年間の契約を結び、登録者分を優先的に届けてもらう「予約登録米」を実施している。これは、93年の冷害による米不足をきっかけに生まれたものだが、現在では、収穫前から年間購入予約をすることで、化学合成農薬や化学肥料にできるだけ頼らない「環境保全型」米作りを応援する制度になっているという。
 パルシステム加盟生協で共通して予約登録できる米は、北海道ほしのゆめ(JA北いぶき・5kg無洗米)、エコ・新潟こしひかり(JAささかみ・5kg普通精米と無洗米、3kg無洗米)など12産地の11品目と、13産地からリレー形式で届く「ふーどの数量限定米」がある。この他に東京マイコープやコープやまなしのみで扱う米もある。
 これらの米の多くはパルシステムの農薬削減プログラムを実践し、優先排除農薬、問題農薬の不使用を実現している化学合成農薬、化学肥料を慣行栽培の2分の1以下に削減して栽培、という基準をクリアして栽培される「エコ・チャレンジ米」となっている。こうした栽培方法は手間やリスクが大きいことから、生協組合員は予約登録で購入するとともに、「特別加算金」(※)を支払うことで、生産者を支援している。
 生協組合員は商品名と毎月の配達日などを決めて申し込むと10月中旬以降約1年間自動的に配達される。07年は約10万人が登録、供給量は約8500tだった。08年はこれを上回る登録をめざしている。
(※)減農薬や化学肥料を減らすなどの環境保全型農業を応援し、その取り組みを正当に評価するための制度。農薬削減率をポイント化し、1ポイント100円として計算。数値化の難しい地域での環境活動なども評価対象となる。加算金はすべて生産者個人に直接渡される。加算金は最高、JAS有機米の場合で109ポイント、1万900円となる。

(2008.04.02)