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120年前の地図使い農業環境の変化分析可能に

−農環研(4/16)

 独立行政法人農業環境技術研究所(農環研、茨城県つくば市)は4月16日、120年前の明治時代初期に作成された「迅速測図」という地図をインターネットで閲覧して、里地里山の土地利用や農村地域の生物生息地の変化の客観的な把握に利用できる「歴史的農業環境閲覧システム」を構築したと発表した。  昨年11月に閣議決定された第三次生物多様性国家戦略(環境省)では、伝統的な農業活動の変化が生物多様性の減少や里地里山の荒廃をもたらしていることが重要な問題として指摘されているが、これまで農業環境のなかの生物多様性の変化の範囲と規模などは十分に把握されていない。主な原因は、評価の基準となる情報が十分に整...

 独立行政法人農業環境技術研究所(農環研、茨城県つくば市)は4月16日、120年前の明治時代初期に作成された「迅速測図」という地図をインターネットで閲覧して、里地里山の土地利用や農村地域の生物生息地の変化の客観的な把握に利用できる「歴史的農業環境閲覧システム」を構築したと発表した。
 昨年11月に閣議決定された第三次生物多様性国家戦略(環境省)では、伝統的な農業活動の変化が生物多様性の減少や里地里山の荒廃をもたらしていることが重要な問題として指摘されているが、これまで農業環境のなかの生物多様性の変化の範囲と規模などは十分に把握されていない。主な原因は、評価の基準となる情報が十分に整備されていないためだ。
 「迅速測図」は簡単な測量で作成された地図だが、関東地方を対象に作成されたものは彩色されているため、当時の土地利用状況が容易に判別できるという。農環研はこのデータをインターネット経由で閲覧・利用できるシステムを構築したもので、120年前の農業環境がわかる。農環研は「現在の土地利用と比較することによって、関東地方の生物多様性の変化や生息地の変動に関する研究の基礎資料として活用が期待できる。さらに、NPOやNGOによる身近な里地里山の保全、管理の指針ともなるなど、さまざまな利用が可能」としている。
 4月18日、同研究所で一般公開した後、同研究所のWebサイト(http://www.niaes.affre.go.jp)から閲覧・利用ができるようにする予定。

(2008.04.17)