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豚コレラ陽性農場を確認

−ワクチン無許可接種の疑い (4/16)

 農水省は栃木県に本社を置く養豚農場へのサーベイランスで、豚コレラの症状は見られないものの抗体陽性となった豚を確認したと4月16日に公表した。  わが国は昨年4月、OIE(国際獣疫事務局)の規定で豚コレラ清浄国となった。OIEの清浄国規定では、ワクチン接種の全面的に禁止が条件のひとつとなっていることや、万が一発生した場合に豚が保有する抗体がワクチン由来か、野外感染かの区別ができず清浄性確認に支障を来すなどから、18年4月以降は都道府県知事の許可がなければワクチンは使用できず全国で事実上、禁止されている。農水省によると今回の事例はワクチンの無許可接種の疑いがきわめて高いとしている。 ...

 農水省は栃木県に本社を置く養豚農場へのサーベイランスで、豚コレラの症状は見られないものの抗体陽性となった豚を確認したと4月16日に公表した。
 わが国は昨年4月、OIE(国際獣疫事務局)の規定で豚コレラ清浄国となった。OIEの清浄国規定では、ワクチン接種の全面的に禁止が条件のひとつとなっていることや、万が一発生した場合に豚が保有する抗体がワクチン由来か、野外感染かの区別ができず清浄性確認に支障を来すなどから、18年4月以降は都道府県知事の許可がなければワクチンは使用できず全国で事実上、禁止されている。農水省によると今回の事例はワクチンの無許可接種の疑いがきわめて高いとしている。
 抗体陽性豚が確認されたのは(株)ヒラノ(本社・栃木県)の北浦農場(茨城県行方市)で11日に11頭で確認された。同社はほかにも千葉、群馬、福島で合わせて69農場を経営。年間約22万頭を出荷しているという。
 そのため農水省は全農場への立ち入り調査を行い、その結果、合計18農場で豚コレラ陽性豚が確認された。一方、実施的な本社機能のある千葉県成田市の事務所への調査では豚コレラワクチンがあることが判明、母豚と育成豚に接種していたと同社は説明した。
 同社の説明を受け、農水省は豚コレラに特徴的な発熱や白血球数減少などが見られないことから、ワクチン接種による抗体陽性とほぼ判断しているが、野外ウイルスの感染による抗体と区別できないことから、今後、2回目の抗体検査や、ウイルス分離検査などを行うほか、陰性が確認されるまでの同農場の飼養豚の移動自粛を求めた。
 ワクチンの無許可接種は家畜伝染病予防法で1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる。農水省は16日、都道府県と関係団体に法令遵守などの指導文書を出した。
 農水省は「消費者の信頼を損ない、畜産業界にも大きな影響を与える。防疫上にも混乱を与えたきわめて大きな問題だ」とし事実関係が明らかになれば、告発も視野に厳正に対処するとしている。

(2008.04.18)