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牛海綿状脳症の疑似患畜の範囲見直しを了承

−家畜衛生部会 (4/18)

 農水省の食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会(部会長:櫻井敬子学習院大学法科大学院教授)は4月18日に開いた部会で、平成18年6月に農相から諮問を受けた「牛海綿状脳症(BSE)の疑似患畜の見直し」について、条件付で諮問通りとすることを了承した。これまで疑似患畜の範囲としていた「患畜が発病する前24か月以内および当該患畜が発病した後に患畜から生まれた産子」を対象外とする。  わが国のBSEの疑似患畜の範囲はOIE(国際獣疫事務局)の規定(OIEコード)を参考にして「BSEに関する特定家畜伝染病防疫指針」で決めている。患畜と疫学的な関連性が高いと判断される牛で、(1)12か月齢にな...

 農水省の食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会(部会長:櫻井敬子学習院大学法科大学院教授)は4月18日に開いた部会で、平成18年6月に農相から諮問を受けた「牛海綿状脳症(BSE)の疑似患畜の見直し」について、条件付で諮問通りとすることを了承した。これまで疑似患畜の範囲としていた「患畜が発病する前24か月以内および当該患畜が発病した後に患畜から生まれた産子」を対象外とする。
 わが国のBSEの疑似患畜の範囲はOIE(国際獣疫事務局)の規定(OIEコード)を参考にして「BSEに関する特定家畜伝染病防疫指針」で決めている。患畜と疫学的な関連性が高いと判断される牛で、(1)12か月齢になるまでの間に、生後12か月以内の患畜と同居したことがあり、かつ、患畜と同じ飼料を給与された牛。ただし、飼料の給与暦についての調査結果が得られない場合は、患畜の生まれた農場(牛群)において、患畜が生まれた日の前後12か月の間に生まれた牛(2)患畜が発病する前24か月以内および当該患畜が発病した後に患畜から生まれた産子となっている。
 (2)の条件についてOIEは18年5月、「雌雄生殖器がBSE病原体の伝達要素であるとの実験的、疫学的根拠はない。雌の患畜から誕生した動物が必ずしもBSEに侵されているとは限らず、一般的な牛群より高いリスクを有するとは考えられない」としてこの条件を削除するOIEコードの改正を行った。
 この見直しを受け、「指針」の疑似患畜の見直しについて、昨年12月農水省のプリオン病小委員会は「患畜の産子についてはトレーサビリティ制度の活用等により追跡することを条件に、疑似患畜の範囲から除外することで差し支えない」とした。
 その後募集したパブリックコメントでも特段の意見が寄せられなかったことから、農水省は18日の部会に諮り了承を得たもの。同部会は、プリオン病小委員会が示した「トレーサビリティ制度の活用等により追跡すること」を付帯条件とした。農水省は今後「防疫指針」を変更し施行する。

(2008.04.22)