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生協組合員の66%が原発廃止求める 日本生協連の調査

 日本生協連は今年7月に全国の生協組合員3676人(回答数:2351人)を対象に「エネルギーと節電に関するアンケート調査」を実施し、このたびその結果を公表した。

◆原発は廃止へ

 この調査結果によると、今後の日本における原子力発電所のあり方については図のように「長期的には全廃する」の51.2%と「早期に全廃」の15.2%を合わせると66.4%の生協組合員が、原発の廃止を求めている。
 図の下段は、09年10月に内閣府が実施した調査だが、原発を推進する「積極的に増設」「慎重に増設」が05年調査の55.1%から59.6%へと増加傾向にあった。
 3月11日の東電福島第一原発事故後のこの調査では、「推進」と「廃止」がまったく逆転した結果となっており、原発事故が「原発に対する意識に与えたインパクトは大きい」と日本生協連では分析している。
 (内閣府調査では原発推進に関する姿勢について「積極的に推進」「慎重に推進」「現状を維持」「将来的に廃止」「早急に廃止」「分からない」の中から選択し回答)

今後の原発のあり方について
◆新エネルギーについて

 太陽光、太陽熱、風力発電などの新エネルギーについて市民が出資しあい、再生可能エネルギーの発電施設を運営する取組みが注目を集めているが、こうした取組みを4割の人が「知っている」と回答。54.8%の人がその取組みに参加したいと回答し、関心の高さがうかがわれる。
 新エネルギーを導入していない人を対象に、導入における課題と問題について聞いたところ、「賃貸住宅・集合住宅のため自分の意思では導入できない」が36.5%と多かったが、「導入資金がない」39.5%、「採算性が合わない」25.6%と経済的な理由をあげる人も多かった。また、「導入方法や技術についての知識や情報不足」も23.4%と多かった。
 こうした結果について日本生協連では、新エネルギーの普及には「国や自治体の全量買取制度や補助金制度を活用することで、導入の負担を軽くすることも可能であるため、国や自治体のさらなる情報発信が必要ではないか」と指摘した。


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