農政・農協ニュース

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【国内生産者の営農を守るために】全農が園芸殺虫剤「スプラサイド」の権利取得

 カンキツ類や茶の生産に欠かすことができない生産資材の一つである殺虫剤「スプラサイド」の製造販売の権利が、既報のようにこの1月からシンジェンタ社からJA全農に移譲された。販売数量の減少から世界的には製造販売を中止する方針だった同剤が、なぜ日本では引き続き必要とされているのかを日本一のみかん産地・和歌山県のJAありだに取材した。

日本一のミカン産地・JAありだでも高い評価

◆世界的には製造販売が中止される

 「スプラサイド」は、カンキツ類や茶などの生産農家を中心に、各種のカイガラムシ類やロウムシ類防除の特効薬として、1967年に日本で農薬登録されて以来45年近く使われてきているロングセラー殺虫剤だ。
 しかし、この剤の製造販売を行ってきたシンジェンタクロッププロテクションAG(本社:スイス)は世界的に販売数量が減少したことから、製造販売を中止することを決めた。しかし日本では、果樹・茶生産場面でのカイガラムシ類に対する特効薬として定着していることから、JA全農は「国内生産者の営農を守るために」(山?周二全農常務理事)、シンジェンタジャパン社の協力を得て、この剤の日本における登録・製造・販売の権利をこの1月に譲り受け、10月からクミアイ化学工業がJAを通じて製造販売することになった(詳細は本紙2144号)。
有田川の両岸にはミカンの段々畑が広がる 温州みかんなどカンキツ類にとってはダニ類やアザミウマ類をはじめさまざまな害虫が存在するが、なかでも幼虫が樹内に入り込むゴマダラカミキリムシや樹表や枝に着床し樹液を吸い取るヤノネカイガラムシなどのカイガラムシ類は、放置しておけば樹そのものを枯らしてしまう大敵だという。

(続きは 特集・全農が園芸殺虫剤「スプラサイド」の権利取得 で)

(写真)
有田川の両岸にはミカンの段々畑が広がる

(2012.01.31)