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安心も提供するドア・ツー・ドアの福祉事業  JA熊本うき

 JA熊本うき(熊本県)の福祉センターでは事業のさらなる充実をめざし、昨年6月から「福祉有償運送」をスタートした。事業開始から半年、同センターの利用者を中心に地域に定着しつつある。

昨年6月からスタートした「福祉有償運送」事業 「福祉有償運送」とは身体に障がいのある人や要介護者など、一人で公共交通機関を利用することが困難な人に対して、ドア・ツー・ドアの運送サービスを有料で提供するものだ。非営利法人が同事業を行う際、市町村の運営協議会の承認を経て国土交通省に申請すれば、通常の自家用車での有償運送が許可される。JA事業としては全国でもまだ数少ない取り組みだ。
 同JA福祉センターでは主に訪問介護と居宅介護支援を行っているが、「自分で買い物に行きたい」「親戚に会いに行きたい」といった声を聞き、利用者の社会参加にも貢献していきたいと同事業に乗り出した。現在は車いすのまま昇降可能な自動車3台と3人の職員で対応している。
 利用料金は1キロ130円で、利用希望者は会員登録をして利用希望日と行程を事前に予約する。現在登録者は25人。一人暮らしや高齢世帯の人が多く、月の平均利用者数はのべ25人で、買い物や病院受診での利用が多いという。
 事業開始から半年。センター長の高薮義則さんは「喜びの声をたくさんいただいています。料金の安さも喜ばれています」と述べ、ただ単にタクシー代わりとしてではなく、万が一利用者に何かあっても対応することができ、病院の受付けや買い物の補助も行っており、送迎だけでない安心を提供している点も喜ばれる理由だ。
 「タクシーを呼んでもすぐには来ないような中山間地に組合員が多いので、そういった人たちのニーズに応え、社会参加の一助としてさらに発展した事業にしていきたい」と抱負を語る。


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