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生協のユーコープ事業連が国産牛肉消費拡大キャンペーン 横浜・静岡・山梨で

 安心・安全な国産牛肉を食べておいしさを実感してもらうと生活協同組合ユーコープ事業連合の会員生協店舗が3月18日、一斉に消費拡大キャンペーンを実施した。
 この日、特売したのは同事業連が全農ミートフーズと提携して組合員・利用者に販売している北海道の産地指定牛肉。残留放射性物質については自主検査を行っていることを改めてアピールするなど、もっと食べてと呼びかけた。

◆全頭検査で安全確保

生協のユーコープ事業連が国産牛肉消費拡大キャンペーン ユーコープ事業連合(会員生協数:6)では「出どころ確か」をコンセプトに農産物を扱っているが、牛肉については06年から全農ミートフーズと連携して北海道の鹿追牛(店舗販売向け)と函館大沼牛(宅配向け)を産地指定商品として販売してきた。
 しかし、原発事故によるセシウム汚染稲わらが広範囲で使用されていることが明らかになると、同事業連でも国産牛肉全体に対して利用者の買い控えが起きた。
 それに対応するため8月初旬から同事業連はJA全農の協力で指定産地から出荷される全頭に対して自主的な放射性物質の検査を実施。店頭のポップやパックへのシール添付によって安全性は確保されていることを売り場で訴えてきた。しかし、23年度の国産牛肉の供給実績は前年比8割弱となる見込みだという。 こうしたなか、安全な国産牛肉のことを正しく理解してもらい、おいしさをたっぷり味わってもらおうとこの日、キャンペーンを行った。


◆「安心です」と利用者

 キャンペーンに参加したのは会員生協のコープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなしの3生協の合計65店舗。
 このうち横浜市内にあるコープかながわの片倉店では、産地指定牛肉「川合さんちのとかち鹿追牛」を試食販売。通常の100g458円を同295円で売り出した。目玉は1パック(340g)1000円の切り落とし肉で「焼き肉におすすめ」と呼びかけた。
 これをさっそく購入していた小さな子ども2人を抱きかかえて買い物をしていた若い夫婦は「セシウム汚染が問題になってから正直言ってしばらくオージービーフを買ってました。でもあまりおいしくなくて……。やはり国産はおいしいです」と話していた。放射性物質の自主検査についても「安心ですね」。
 同事業連では昨年5月から被災地の産品を販売する支援イベントを月1回実施、売上げの1%を寄付する取り組みを続けてきた。同店の塩脇章正副店長によると、「震災発生後、被災地支援に全国から生協などが駆けつけていることを報道で知った利用者から、生協さん、がんばっているね、などと声をかけられたこともあった」というが、出荷制限など食品への放射能の影響が明らかになると牛肉に限らず厳しい声も届いたという。
 塩脇副店長は「これからも情報を積極的に発信して、安全・安心でおいしい国産品を理解してもらうしかない。産地への支援にもなると思います」と話していた。

国産牛肉消費拡大キャンペーン 

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