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「被災地復興を全力で支援」 農林中金の河野理事長

 農林中央金庫の河野良雄理事長は5月22日の決算発表記者会見で東日本大震災への対応状況についても説明、「復興対応は最重要課題。営農再開の遅れなど本格的な復興への道のりは長く険しいと再認識しているが、役職員一丸となって被災地復興を全力で支援していきたい」と強調した。

 農林中央金庫は昨年4月、4年間で1兆円規模、直接支援額300億円の復興支援プログラムを立ち上げた。利子補給や再生ローンなどの金融支援とJA、JFの事業復旧や経営対策を盛り込んだ。
 このうち被災JA・JFへの資本注入は岩手・宮城・福島の8JAと1JFに対して約570億円の資本注入を実施した。さらに8JAに対して11名、JFに対して3名の職員を派遣して経営を支援している。
 また、JAやJFが組合員・生産者の復旧・復興のために貸し付ける災害資金について利子補給を行っているが、この1年間でJA・JF合計で5235件、198億円の利子補給を実施。このうち農林中央金庫が直接支援したのは2406件、87億円だという。
 そのほか、今年1月には総額50億円規模の東北農林水産業応援ファンド・ローンも創設。これは従来のファンドよりも投資上限額などを緩和したもので、これまでに5件、6500万円の融資が決まっている。また、復興応援定期貯金として被災地のJA、JFが上乗せ金利をした定期貯金を提供しているが、この上乗せ金利を農林中金が負担。これまでJAで1000億円、JFで69億円を支援しているという。
 河野理事長は「引き続き利子補給やファンドを通じた支援などで今後は組合員のみなさんの復興に寄与していきたい」と話した。今年度は125億円程度を直接支援額として拠出していきたいとしている。

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