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多収で成熟期が早い  暖地向け黒大豆の新品種を開発  農研機構

 農研機構の九州沖縄農業研究センターは暖地向け黒大豆の新品種を開発したと10月10日発表した。

 名称は「くろさやか」で、暖地と中国地方以南の温暖地向け。
 これまでの暖地向け「クロダマル」という品種に比べて、収量が多く、成熟期が早いため作柄が安定する特徴を持つ。
 子実の大きさは“極大粒”のクロダマルよりは小さい“大粒”で
大き過ぎないため、豆菓子などの用途に適している。
 また大豆の青臭みの原因となる酵素(リポキシゲナーゼ)を含まないため、ケーキ、パン、めん類など多様な食品開発に活用できる。
 6次産業化、農商工連携への黒大豆利用が期待され、今年から広島県の農商工連携事業で大規模な試作栽培が始まっている。
 国産大豆の約6割は豆腐用だが、ほかの用途にも適した品種が求められている。クロダマルや「丹波黒」は煮豆用としての品質が重視されているが、一般の黄大豆よりも収量が低く、成熟期が遅い難点がある。
 「くろさやか」はクロダマル」より大幅に多収で、西日本の基幹品種である「フクユタカ」をも上回る。
 成熟期もクロダマルより1〜2週間早いため、早霜などによる作柄低下の危険性が低くなるという。


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