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ホクレンの「きたひめ」育成グループなど受賞  民間の研究開発表彰

 農水省は11月5日、平成24年度「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の受賞者を発表した。

 同賞は民間が主体となった優れた研究開発を讃えるもので、平成12年度から毎年開催しており今年で13回目。
 今年は、農林水産大臣賞3件を含む、全11件が受賞した。
 農林水産大臣賞を受賞したのは、秋田国際ダリア園の鷲澤幸治氏、(株)微生物科学研究所の網本勝彦氏、久保田整氏、佐藤博昭氏、日本ワイドクロス(株)の廣橋敏次氏の3件。
 廣橋氏は通気性・透光性に優れ、高い耐久性やリサイクルを可能にした新たな防虫ネット「サンサンネット」を開発。減農薬栽培に役立つ新しい農業用資材を開発したことが評価された。
 秋田氏は花持ちの長いダリアの新品種の育成、網本氏ら3人は牛ボツリヌス症ワクチンの開発で、それぞれ受賞した。
 そのほか、農林水産・食品産業技術振興協会会長賞では、ホクレンの安田慎一氏が、ポテトチップス用ジャガイモ「きたひめ」を育成したとして受賞した。「きたひめ」は加工適正が高くシストセンチュウ抵抗性を持つ品種で、22年度の栽培面積は1700ha、生産額は100億円となっている。
 表彰式は11月14日の10時30分から、東京ビッグサイトの「アグリビジネス創出フェア2012」会場内で行われる。


 全受賞者と業績は次の通り(敬称略)。
【農林水産大臣賞】
▽「ダリアの画期的な新品種育成と普及」鷲澤幸治(秋田国際ダリア園)
▽「牛ボツリヌス症ワクチンの開発」網本勝彦、久保田整、佐藤博昭・(すべて、(株)微生物科学研究所)
▽「減農薬栽培の普及に貢献した農業用被覆資材の開発」廣橋敏次(日本ワイドクロス(株))
【農林水産技術会議会長賞 民間企業部門】
▽「ディスク式中耕栽培土機の開発と普及」長屋克成、遠藤準(以上、小橋工業(株))、永井隆、永井真人(以上、井関農機(株))、鋤柄忠良(鋤柄農機(株))
▽「高湿高鮮度庫『チルドマン』の開発」太田正明、神津和重、七海和幸、大竹史哲、赤堀好宏(すべて、オリオン農機(株))
▽「イチゴのクラウン湿度制御法の開発」伏原肇((株)ナチュラルステップ)
【農林水産技術会議会長賞 農林漁業者部門】
▽「障害者に配慮した農業機械の開発」鈴木厚志(京丸園(株))
▽「高品質発酵TMR(混合飼料)の生産供給技術の開発による地域内資源循環の達成」岡田建史、藤原基男(以上、(株)那須の農)、人見二三夫(那須TMR利用者懇談会)
【社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞】
▽「ポテトチップス用ばれいしょ品種『きたひめ』育成」安田慎一(ホクレンばれいしょ品種「きたひめ」育成グループ代表)
▽「傾斜地作業の労力軽減に貢献する狭幅作業道造成機の開発」豊田和範、岩上久仁男(すべて、マメトラ四国機器(株))
▽「自然界から分離された高製パン性『とかち野酵母』の開発・商品化」田村雅彦、三雲大、石栗秀(すべて、日本甜菜製糖(株))


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