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【TPP】 「日中韓、RCEPも同時に進める」は論理破綻 東大・鈴木教授が批判

 「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク」が発行しているTPPニュースレター第14号に東大の鈴木宣弘教授が緊急提言を寄せ、「日中韓FTAとRCEP(東アジア地域包括的経済連携)をTPPと同時に進めるのは論理破綻」と厳しく批判している。

鈴木宣弘教授 野田首相は10日に視察先の福岡市で記者団に日中韓とRCEPの推進と同時にTPPを推進することをマニフェストに盛り込む考えを表明した。
 これについて鈴木教授は「すべてを撤廃するTPPに乗れば他の柔軟な協定ができなくなってしまう」と論理が破綻していると批判している。
 TPPも同時に進めることになればRCEPの対象国である豪州やNZに対しても日本は関税をすべて撤廃すると約束することになる。その一方で柔軟な協定をめざしてRCEP交渉で多くの例外を認めてもらうということは「両立し得ない」と指摘する。
 また、ASEANは昨年11月に「アジアに適した柔軟で互恵的なルールはASEANが提案する」と表明したことを挙げ、「世界で疑問視されつつある規制緩和さえなくせばうまくいくという流れを無理に進めようとする本質的に筋の悪いTPPを止めなくては世界の将来に禍根を残す」と強調。TPP反対をパフォーマンスで終わらせてはならず「日本のためアジアのため世界のために踏ん張るとき」と訴えている。


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