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米価は端境期の需給ひっ迫などが要因 全中・全農が見解を発表

 JA全中とJA全農は11月20日、「豊作にもかかわらず米価が高いのは全農の概算金引き上げに要因があるとする一部報道について」と題する見解を発表した。

◆端境期の在庫少ない 9月の1年古米17万t

 一部報道では、豊作にもかかわらず米価が高いのは全農が生産者に支払う概算金を引き上げたことや、集荷の拡大に原因があるとしている。
 これに対して今年の端境期は1年古米の23年産米の在庫水準が昨年並みに非常に少ない水準になったことを指摘している。農水省が公表している在庫数量のデータでは、米価が大幅に下落した22年9月の1年古米の在庫数量は51万tだった。これに対して今年9月の1年古米は17万tと少ない状況で、こうした端境期の需給環境が新米(24年産米)の価格水準に反映されたとしている。


◆猛暑の影響で精米歩留まり低下

 また、生産者に支払う概算金はこうした価格水準や業者の買い取り価格をふまえて設定し、それが結果として23年産米を上回る水準となったものであって、「概算金の引き上げが価格を引き上げたわけではない」としている。 平均価格水準が高いことについては、業務用等の需要が多い低価格帯米の需給がひっ迫し高価格帯との価格幅が縮小していることが考えられるとしている。 さらに業務用等の低価格帯の米の不足は、政府米の備蓄方式が新米を買い入れ古米を売り渡す回転備蓄方式から、棚上げ備蓄方式へ移行し主食用には売却されなかったことも一因と考えられると指摘した。
 そのほか、主産地における猛暑の影響で被害が発生しており、精米の歩留まりの低下が懸念されていることから、今後の需給と価格が不透明なことも現在の価格水準の背景にあるとした。
 こうした状況にあるなかで、誤解を与える報道が行われることは、取引先や消費者に誤った情報を与えることになりかねないと見解では強調、JAグループとして米の需給と価格に関する正しい状況を取引先や消費者に説明し理解を得ていく取り組みを継続的に行っていくとしている。


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