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JA全中が人づくり3カ年計画 全JAで「人材育成基本方針」策定

 JA全中は12月5日、人づくり運動推進委員会を開き、平成25年4月からスタートする次期3カ年の全国運動方針「『次代へつなぐ協同』を担うJA人づくり」(JAグループ人づくりビジョン)を決めた。

◆体系的なキャリアアップの仕組みづくりを

 JAグループ人づくりビジョンは、第26回JA全国大会の決議を具体化するための指針だ。
 このビジョンは、▽全中・都道府県中央会での人材育成支援は教育部署と経営指導・人事管理部署との連携強化または業務の一元化をめざす、▽その体制の元で各JAが「人材育成基本方針」を策定しトータルシステムとしての人事制度を中心にした人材育成の取り組みの確立と運用を図る、ことの2つが大きなポイントとなっている。
 同時に取り組みの基本スタンスは[1]JAが主体[2]自ら学ぶ[3]継続的改善、の3点だ。
 [1]は、人づくりの活動はあくまでも各JAが主体となり、各県中央会やJA全中などはそうしたJAの主体的活動を支援する、という仕組みづくりをめざすということだ。
 [2]は、JA役職員が自主的に学習・行動できる職場風土をつくること。[3]は、PDCAマネジメントサイクルなどを活用し、人材育成の目標設定と成果のチェックを継続的に行うことを指す。
 また、このビジョンでは、トップ(経営者層)の役割の重要性も強調されている。
 組織の向かうべき方向を定め、「人が育つ経営」を実現するのがトップの役割だと指摘している。

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(上表はクリックすると大きな画像が出ます)


◆管理と教育を複合させた人事戦略を

 このビジョンに基づきJAが策定する「人材育成基本方針」は、JAの人事管理制度と教育研修制度の両方を合わせた、JA独自の人事戦略となる。
 それは、JAの事業環境、規模、地域性などに応じて、各JAが個別に定める経営理念と、それを実現するための経営戦略を基に、「求められる、めざすJA職員像」を明確にし、人材育成をすすめるための指針となる。
 基本的には▽能力を発揮できる職場環境づくり▽能力を高める総合的な職員教育研修▽意欲と能力を引き出す人事管理、の3つが中心になる。
 このうち、総合的な職員教育研修の具体例としては、自己啓発学習の支援、階層別研修の受講の徹底、信用・共済・経済・指導・生活など事業別の専門研修、戦略型中核人材の育成、などが挙げられている。
 この日の委員会では、「このビジョンの取り組みを、すべてのJAが足並みを揃えてやってほしい」、「熱心な職員が1人いれば、JAや支所のレベルが上がる。そうした人材を掘り起こし、支えるのが役員の役目だ」などの意見が出された。
 JA全中では、25年4月までに「JAの人材育成基本方針策定の基本的な考え方」を策定したい考えだ。

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