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母親への食育支援が有効 Jミルクが牛乳乳製品の食生活動向調査

 日本酪農乳業協会(Jミルク)は牛乳消費拡大を推進するための基本情報を得ることとJミルクの普及関連事業の効果検証を目的に今年度から「牛乳乳製品に関する食生活動向調査」を実施、その結果を公表した。

 調査はインターネットによる2次方式で、1次は15〜60代の男女1万人に実施し、さらにそのなかで3〜18才の子どもを持つ主婦600人を対象に2次調査を行った。
 Jミルクは今回の調査結果をもとに25年度の事業計画を検討していく。

◆年配女性ほど高い消費

 牛乳類の飲用頻度を聞いたところ「毎日」という人は32%で全体の3分の1となった。また「週1日未満」という人も33%で3分の1だった。
 牛乳飲用頻度の変化は、飲用回数が多い人ほど「以前より増えた」という人が多く、飲用頻度が少ない人ほど「以前より減った」という人が多いことから消費の二極化がみられた。
 年齢別に見ると女性の方が男性に比べて飲用頻度が高く、さらに年齢が高くなるほど飲用する頻度が高くなっている傾向がみられる。


◆健康・栄養への意識を強化

 「健康状態を意識している、気をつけている」人、「食品に含まれる成分(栄養素)に関心がある」人はそれぞれ全体の約6割、約7割で、こういった意識の強い人ほど牛乳類の飲用・利用頻度が多いことから、牛乳類の消費拡大にはまず健康・栄養への意識を高めることが重要であることがわかった。
 また、牛乳のもつ機能の認知度として「骨の状態を良くする効果」が92%でもっとも高かったが、健康に関する取り組みでは「骨の状態を良くする」ことよりも「生活習慣病予防」や「病気予防」への意識が高いことから、「骨の状態を良くする」ことへの健康意識の強化と、「骨の状態を良くする」こと以外の牛乳の健康機能の情報開発、認知を強めることが牛乳飲用を促進するうえで重要な課題であることが示された。

◆幼児期への働きかけが大切

 母親へのアンケートから、子どもに希望する牛乳飲用頻度が高い母親ほど食育に熱心で子どもに牛乳の飲用を働きかけているという結果となり、母親への食育に関する取り組み支援が牛乳飲用促進に有効であると分析している。
 とくに、子どもへの牛乳飲用の働きかけは年齢が低いほど効果が高いことが明らかとなっており、幼児期での習慣づけが重要であることがわかった。
 また、牛乳に対して「よい思い出」がある人ほど飲用頻度が高いという結果も表れた。よい思い出の中身は「学校給食関連」がもっとも多いことから、学校給食で「よい思い出」づくりをすすめていくことが、その後の牛乳消費につながる決め手になるとしている。
 Jミルクはこの調査結果から「牛乳を活用した幼児期の食育への取り組みや、学校給食での思い出づくりをどうしていくかなどを考えていきたい」としている。


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