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野菜系飲料への注目再び高まる  富士経済の調査

 富士経済は清涼飲料市場調査結果を6月7日発表した。

 2011年実績は清涼飲料全体で前年比0.7%減の4兆8550億円となり、10年の前年比プラスから再びマイナス成長となった。
 東日本大震災と原発事故の影響が今後どれだけ続くか先行きは今も見えない。飲料業界は安定供給が可能な企業と、そうでない企業の差が顕著となった。 果実・野菜飲料は多くの企業が原料価格の高騰から100%果汁飲料の優先順位を低く位置づけ、震災後の売上げ回復が遅れる企業が相次いだ。
 その中で野菜飲料は放射能汚染問題で生鮮野菜の代替としての需要が高まり、11年は前年比113.4%、516億円の大幅増となった。
 ミネラルウォーター類も、放射能問題から生活水需要が高まった。しかし輸入品は硬水という特性と高値から国産に競り負けた。
 乳性飲料はチルドが大半であるため、震災直後は牛乳などに大幅な縮小が予想されたが、結果的には比較的健闘した。飲用牛乳は例年並みの減少幅で生乳需給に深刻な問題は起こらなかった。
 注目市場のうち野菜系飲料をみると、11年は中下位メーカーがPET商品の供給停止などに追われたが、12年は消費者の健康性への注目度が引き続き高まりを見せている。
 またトマトはメタボ改善に効くといった研究論文がマスコミに大々的に取り上げられた後も需要は安定して伸び、カゴメやキッコーマン飲料などトマトが主軸の企業の注力度は高い。野菜飲料には、果汁系飲料からの需要シフトも見られる。
 豆乳類の11年の市場は高い伸びを見せた。新規需要を取り込んで好調な豆乳飲料に加え、無調整豆乳や調整豆乳も愛好家を中心に需要を伸ばした。
 この調査は12年2〜4月にかけて実施。国内市場の7分野18カテゴリーについて市場の現状を分析し、今後を予測した。

清涼飲料市場調査
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